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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
申請者は乱流や燃焼という熱流体現象の時間・空間スケールを高時間・高空間分解能で計測しようと,レーザを駆使して実験を行い,速度,温度,濃度などの物理量を計測してきた.速度情報を一つ取ってみても,時間平均と変動で議論できるものと,周期的な変動や全くランダムな変動を示すものがある.我々はそのデータから上述の物理量をいかに抽出し,表現するか?,という思考パターンを用いて,数ギガバイトのデータを数十枚程度の図面に落とし込むといった操作を常に行っている.この“いかに表現するか?"という思考パターンを,より論理的に表し,その論理.推論の展開,データの構造変化,データの持つ意味の変化を効率的に発見する手法の研究を行うことを本研究の目的としている. 本研究では,熱流体現象の中でも特に時空間変動が激しい実用燃焼器内の流動場における流れ場計測結果に対して,発見科学的アプローチから解析を行った.低NOx化、安定燃焼、コンパクト、高負荷燃焼という工業的タスクを持つ0.1MWクラスのオイルバーナについて,その燃焼器内部の噴霧構造,すなわち燃料の粒の集まりが周りの流れ場といかに干渉しているか?を解析するために,速度と粒径の同時計測という計測手法と二つのパラメータの離散・時系列時解析を行った.この解析において,流れ場の中での粒の挙動は粒径の大きさと乱流スケールに依存するはずである,という発想を軸にして,信号処理することが現象発見のブレイクスルーであった. データ解析の結果,燃料の粒は,急激な速度勾配を有するせん断流の中に入った場合、大きな噴霧は乱流変動の影響を受けずに貫通するが、粒径が30ミクロン以下の運動量の小さいものは周囲流に巻き込まれることがわがり,この敷居値がストークス数=1で整理できることを示した.さらに,大きな噴霧の後に形成されるWake流に小さな噴霧が巻き込まれるというミクロな現象をもデータの離散処理から抽出できることを示唆できた.また,燃料液滴集合体であるクラスターの空間サイズを求めるため、噴霧の粒径のグループを、その時間間隔で整理することにより,クラスタの長さを出すことができた。
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