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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
化学風化が大気中CO_2の消費に関係し,化学風化により消費されるCO_2量が地球規模炭素循環を議論する上で無視できない。大気圏と岩石圏の間のCo_2グローバルフラックス推定の精度を高めることを目的として,今年度は以下の研究を行った。 〈土壌層CO_2濃度測定〉 炭酸塩岩地域である福岡県平尾台では植生の異なる地点4地点について,台湾タロコにおいては標高50m,1000m,2000mにおいて,非炭酸塩岩地域である九州大学福岡演習林ではスギ林中で,土壌温度とともにガス検知管を用いて土壌層CO_2濃度の測定を行った。秋吉台で得られた土壌CO_2濃度の対数と土壌温度の間には直線関係は,今回の測定値においても同様であることがわかった。台湾で観測された5%を越える土壌CO_2濃度も,秋吉台腐植土壌での濃度を高温域に外挿することで説明することが可能であり,土壌特性を考慮すれば,土壌温度から任意の地域の土壌CO_2濃度を予測することが可能であることが明かとなった。 〈河川水,地下水の量的・質的変動の追跡〉 現在それぞれの地域ににおいて流出量,溶存成分含量の定期観測を継続中である。観測期間が1年を経過した時点で,化学風化による炭素フラックスの見積もりを行う予定である。 〈土壌CO_2, 地下水および雨の安定同位体比測定〉 秋吉台における化学風化は土壌二酸化炭素を供給源とした開放系で起こっているということを化学平衡論的に示唆していたが,天然水と土壌二酸化炭素の炭素安定同位体比測定から同位体平衡論的にもそれを明かとした。 化学風化に対する地球深部からの炭素フラックスは,台湾タロコ寧安橋湧泉において300トン(CO_2として)/年であった。また,その湧泉の集水域の推定のために水の安定同位体比の高度効果を用いた。湧出地点は標高約200mであるのに対して,集水域の平均標高は約2500mであり,地下水系を通じて湧出する間に,破砕帯にそって湧き上がるCO_2あるいはその反応生成物を溶存していることが推定できた。このような現象は,プレート縁辺部の変動帯では普遍的におこる現象と考えられ,火山ガスや地熱流体から大気圏へのフラックス以外の地下深部→大気への炭素フラックスについて再検討する必要があることが明かとなった。
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