重金属吸着ドメインの真核微生物細胞表層へのターゲッティング
Project/Area Number |
10145207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北本 勝ひこ 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20272437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 春紫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10217721)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 重金属吸着 / 細胞表層工学 / Aspergillus nidulans / Aspergillus oryzae / Saccharomyces cerevisicle / Bioremediation / GPIアンカー / メタロチオネイン |
Research Abstract |
工業廃水・メッキ廃液などから有害重金属除去および有価金属の回収を行うため、微生物菌体に重金属を吸着させてバイオソルベントとして利用することを目的として、金属結合蛋白質の金属吸着ドメインを細胞表層に発現させることによって微生物に重金属結合能を付与する分子育種を試みている。主たる宿主として、古くから産業的に重要であったため、安全性が確認され大量培養などの取り扱い技術が進歩している麹菌(Aspergillus oryzae)を用いた。 細胞表層へターゲティングする効率のよい重金属吸着ドメインとして、酵母(S.cerevisiae)から金属結合蛋白質メタロチオネインをコードするCUP1遺伝子をクローン化した。CUP1遺伝子に制限酵素サイトを含むリンカーをつけて、細胞表層に発現させる金属吸着ドメインとして供することとした。 麹菌において異種蛋白質含む融合蛋白質の細胞外発現システムを構築するため、分泌蛋白質であるグルコアミラーゼ(GlaA)の触媒ドメインに蛍光蛋白質GFPを結合した融合遺伝子を作製し、麹菌における分泌発現を確認した。これを元にグルコアミラーゼ遺伝子(glaA)をベースとして、金属吸着ドメインなどを組み込むための制限酵素サイトを導入したアッセイ用ベクターを構築した。 次に、糸状菌の細胞表層へのターゲティングを目的として糸状菌の表層に大量に存在するハイドロフォービンをコードする遺伝子(rodA)をAspergillus nidulansからクローニングし塩基配列を確認した。さらに、麹菌A.oryzaeのハイドロフォービンをコードする遺伝子の一部をクローン化することに成功し、A.nldulans rodA遺伝子と58%の相同性を有していることを見いだした。また、A.nidulansのESTデータベースを検索することにより、糸状菌細胞中で細胞表層へのGPIアンカーとして機能しうるFlo1,a1cwp,Exp2のそれぞれの相同遺伝子のC末端領域をクローン化した。 以上より重金属吸着蛋白質を糸状菌の細胞表層に発現させるための融合蛋白質を作製する材料となる遺伝子の収集がほぼ完了し、融合蛋白質の発現量・局在性を評価するアッセイ用ベクターの構築も行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)