光ピンセットと近接場/原子間力顕微鏡による1分子レベルでの生体分子認識機構の研究
Project/Area Number |
10145220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169992)
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Project Period (FY) |
1998 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | カドヘリン / 細胞基質間接着分子 / 光ピンセット / CD44 / 細胞骨格 / 一分子操作 |
Research Abstract |
本研究の目的は、【1】生体分子認識の特異性を、1分子レベルで直接に力をかけて、その応答を1分子レベルで見ることによって調べる方法を開発すること、 【2】この方法を、細胞表面膜上の、細胞間接着分子、及び、細胞-基質間接着分子に応用し、さらに、タンパク質工学的に分子を改変する方法を駆使して、これらの分子の特異的認識と構造との相関を解明すること、である。 本年度は、1分子ペアー毎に、片方の分子を直接に引っ張り、相手の分子からの応力(引っ張り返す力)を観測する方法を開発した。特に光ピンセットを用いた方法を重点的に検討した。 タンパク質としては、細胞-基質間接着分子(ヒアルロン酸受容体)であるCD44を用いた。直径20nm、または、40nmの金コロイドに、ヒアルロン酸、または、抗CD44抗体を少数結合させた。まず最初に、この金コロイドを細胞表面上のCD44に結合させた。金コロイドを光ピンセットで捕捉した後、さまざまな方向に牽引した。このとき、金コロイドプローブにかかる力を測定した。この条件では、CD44と細胞骨格との相互作用が観察できた。相互作用の力や細胞骨格の変形の仕方、CD44が細胞骨格からはずれるのに要する力などは牽引速度によって変化した。 一方、直径2ミクロンのポリスチレンビーズを同様の方法で細胞表面膜上のCD44に結合させた。但しこの時は、多数のCD44がクロスリンクされるような条件を用いた。このビーズの周辺にはアクチン線維が集合し、このビーズは全く動かすことができなかった。その周囲のCD44結合金コロイドも同様に静止し、通常我々が使っている光ピンセットの強度(2pN/μm)では牽引することもできなかった。この系を用い、より強い光ピンセットを用いて、ヒアルロン酸-CD44、抗CD44抗体-CD44の結合の強さを検討しつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)