乳酸菌の細胞接着に関わる菌体表層タンパク質とそのデザイン
Project/Area Number |
10145228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 憲二 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70109049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 尚徳 京都大学, 農学研究科, 助手 (20212045)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 乳酸菌 / 細胞接着 / 膜糖鎖 / 菌体表層 / 受容体タンパク質 / 糖脂質 / 乳酸菌セラピー / Lactobacillus casei |
Research Abstract |
我々は腸内細菌のなかでも代表的な有用菌であるLactobacillus属乳酸菌がウイルスや病原性細菌と同じように宿主の細胞表顔に存在する糖鎖を介して腸管に接着し、フローラ(菌叢)を形成するものと考えて研究を行って来た。その結果、Lactobacillus属乳酸菌が糖脂質の糖鎖に特異的に結合することを見出すとともに乳酸菌の菌体表層に“糖鎖受容体タンパク質"が存在することを見出し、その遺伝子のクローニングを行った。本研究では“糖鎖受容体タンパク質"の遺伝子解析と大腸菌で発現したタンパク質を解析するとともに、本遺伝子を乳酸菌ヘセルフクローニングして菌体表層に本タンパク質を多量に発現するようにデザインした組換え乳酸菌の取得を試みた。 Lactobacillus属乳酸菌(Lactobacillus casei)の糖鎖受容体タンパグ質の遺伝子を含む組換えプラスミドpR3Eを有する大腸菌DH5αより得られた菌体の無細胞搗出液についてnative gradientゲル電気泳動を行ったところ、L.acaseiの受容休タンパク質とほぼ同じ分子サイズの位置に強くタンパク質が発現していることを見出した。L.caseiの受容体タンパク質はスフィンゴ糖脂質のGA1(Galβl-3GalNAcβ1-4Galβl-4Glcβ1-1'Ceramide)の糖鎖に強く接着するので、組換え大腸菌の無細胞抽出液にGA1を添加して、native gradientゲル電気泳動を行った後、抗GA1モノクローナル抗体を用いたImmunoblottingを行ったところ、発現タンパク質に相当する位置に微弱ながら染色が認められた。また、菌体表層画分についてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った結果、L.caseiの受容体.タンパク質と同じ分子サイズの位置にタンパク質のバンドが見られ、N-末端アミノ酸配列を調べたところ、L.caseiの受容体タンパク質のN-末端アミノ酸配列と同じであった。そこで、組換えプラスミドpR3EをシャトルベクターpBE31およびpH4611に繋いだ後、エレクトロポレーション法によって、Lactobacillus属乳酸菌への組込みを行い、セルフクローニングを試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)