クロマトグラフィーにおける分子認識機構と移動現象の解析による新規分離方法の開発
Project/Area Number |
10145241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 修一 山口大学, 工学部, 教授 (80144921)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | クロマトグラフィー / 分子認識 / イオン交換 / タンパク質 / 吸着サイト数 |
Research Abstract |
クロマトグラフィーは生体分子の分離分析には欠かすことのできない手法である。従来の研究は、分子認識は考慮せずに単に分配係数としてゾーン分散モデルに組み込む工学的解析と、bioaffinityやbioimprintingのように親和性のみを重点的に調査するという2つがほとんどである。しかしながら、分子認識とゾーン分散(移動速度)は独立ではないので分子認識機構と移動現象(ゾーン分散機構)を同時に解析することにより新規高分離性能クロマトグラフィーを開発することができる。 特に生体巨大分子(分子量10万以上の抗体、プラスミド、さらにウイルス)のクロマトグラフィー分離機構はほとんどわかっていない。そこで 主として抗体(IgG)の吸着機構(分子認識と移動現象)を解析した。またHepatitis B surface antigen(以下HBsAg)粒子やparvovirusについても実験的検討を行なった。20nm程度の直径を持つ巨大な粒子として存在するHBsAgのような巨大分子の精製方法としては、大細孔径を持つ従来型充填剤の他に、粒子表面のみを利用する方法や、リガンドの三次元的配置を持つゲルを埋めこんだゲルなどが考えられる。架橋度が高いセルロース粒子に硫酸基を導入した吸着剤の分子排除特性から分子量数万以上のタンパク質は排除されることがわかった。この充填剤はHBsAgに対して強い親和性を持ち通常のIECより効率良く吸脱着精製が可能であった。また、IgGに対しても親和性を示し表面吸着のみであるにもかかわらず吸着速度が早いために動的吸着量は通常のゲル型IEC充填剤とほぼ同じ程度となった。ただしBSAには親和性を示さず他のIECゲルとは異なる分子認識機構があることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)