高度に配座を制御できる炭素・炭素結合形成反応を用いた拡張共役電子系の構築と性質
Project/Area Number |
10146210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
西村 淳 群馬大学, 工学部, 教授 (10107352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 洋介 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助手 (60261864)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | [2+2]光環化付加反応 / シクロファン / ビナフチル / 核磁気共鳴ペクトル / X線結晶構造解析 / 温度可変核磁気共鳴ペクトル / ビニルアレーン / 軸不斉 |
Research Abstract |
これまでにビス(ビニルアリール)アルカン類の分子内[2+2]光環化付加反応により様々な芳香環を有するシクロファンを合成し、その芳香環の配置と渡環相互作用及び光物理学的性質等の物性との関係について明らかにしてきた。 本年度は、これまでに合成例のない軸不斉を有するビナフチルを用いたシクロファン、すなわちビナフチロファンの合成を目指して検討を加えて成功を収めた。さらに、得られたビナフチロファンの溶液中及び結晶中の構造について明らかにした。 ブロモナフタレンを出発原料として5段階で前駆体であるオレフィンを合成した。それぞれのベンゼン溶液に、窒素雰囲気下、パイレックス容器中で400W高圧水銀灯により40分間光照射を行った。連結鎖が短すぎる場合は目的のシクロファンは得られなかったが、架橋鎖をヘキサン残基またはへプタン残基とした場合はそれぞれ収率45、47%で対応するシクロファンが得られた。 それぞれのシクロファンのプロトン核磁気共鳴ペクトルにおいては、いずれも芳香環プロトンが12種類のシャープなピークとして観測され、これらの化合物が溶液中で対称性のある構造を取っていることを示している。 一種類のシクロファンについては、X線結晶構造解析に成功した。上下のナフタレン環同士の二面角はそれぞれ70度、108度である。下部のナフタレン環同士はその重なりはわずかで、ほぼ平行に位置している。結晶中では配座が固定され、非対称な分子となっているが、溶液中ではそれらが連動して回転(スウイング)しているために対称性が生じていることが、温度可変核磁気共鳴ペクトルから結論された。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)