メゾスコピック領域でのベンゼノイド及び非ベンゼノイド縮合多環系の電子論
Project/Area Number |
10146216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
細矢 治夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (10017204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 恭子 青山学院大学, 理工学部, 専任講師 (20272742)
鷹野 景子 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (00143701)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | グラフ理論的分子軌道法 / 有機電子論の数学的証明 / ポリアセンの異常分極 / フラーレンの生成機構 / ナフタリンの縮合反応 / ナノグラファイトのフェルミ準位 / zigzagリボンの最適化構造 |
Research Abstract |
細矢治夫 グラフ理論的分子軌道法とCoulsonとLonguet-Higginsの摂動理論を合わせることによって、鎖式及び簡単な芳香族炭化水素の中の電子の移動が有機電子論の図式的方法通りに起こることを初めて示した。更に、ベンゼン環の個数が数十から数百の縮合多環芳香族炭化水素について、それぞれの中の1個の炭素原子をヘテロ原子に置換したときの各炭素原子上のπ電子密度の変化量を計算した結果、多層のポリアセンでは、摂動の影響が異常に遠方まで及び、その流れは主に両脇の形状に強く依存することがわかった。 鷹野景子 ナフタレンを出発物質とするフラーレンの生成機構を量子化学計算により明らかにした。2つのナフタレン骨格のT字型の縮合と分子内環化反応の組み合わせが鍵反応であること、およびラジカル反応機構によりこの反応が進む可能性を示した。分子内環化反応において生じる5員環がお椀状の曲面の生成の役割を演じるが、ナフタレン部分のフロンティア軌道が位相の性質を保つことが反応の鍵であることを指摘した。 中田恭子 zigzag端をもつナノグラファイトのフェルミ準位には、ほとんどフラットなπバンド(エッジ状態)が現れる。ナノグラファイトリボンに対する第一原理計算(局所密度近似・擬ポテンシャル法・平面波展開)を行い、キノイド型の極限構造をもたないzigzagリボン(N=偶数)について最適化構造を求め、基底状態の電子状態を調べた。単層リボンでは、構造や電子状態に対する強結合モデルでの描像が再現された。層間相互作用についても検討し、グラファイト様のABスタッキングではエッジ状態が十分に形成され得ることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)