Project/Area Number |
10146221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 正富 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50072682)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | フラーレン / ヘテロディールスアルダー反応 / 1,3-双極性環化付加反応 / 分子内レドックス反応 / オルトキノジメタン / ニトロアルカン / ジカルボン酸 / フラーレンアミノ酸 |
Research Abstract |
フラーレンの特異な非局在電子系と導入される官能基との組み合わせにより新たな機能性発現を目指し,多様なヘテロ環化反応を実施した。その結果通常のアルケンとは異なったフラーレン独特の反応を見出した。(1)アザオルトキノジメタンとのへテロディールスアルダー反応では、テトラヒドロキノリン縮合C_<60>誘導体を与え、特にN-非置換体でも反応がおこり、C_<60>の独特の付加反応性を示した。一部付加体の構造は、Cアミド結合の窒素がsp^3を示し、不斉窒素となった。これはフラーレンに縮合した独特の結果である。(2)複素芳香環系オルトキノジメタンとのディールスアルダー反応では、過剰のジエン試薬を用いることにより、2、4、6付加体を分離することができた。(3)チオカルボニルイリドとの1,3-双極性環化付加反応では、テトラヒドロチオフェン縮合C_<60>誘導体を与えた。mCPBAの作用によって、対応するスルホキシドやスルフォン誘導体に導くことができたが、更にプンメラー反応によりSの隣接位にアセトキシ基を導入することができ、フラーレン骨格の周辺に官能基を配置する新規の有効な手法となった。(4)フラーレン表面でしか起こり得ない独特のニトロアルカンとの反応は、分子内Redox反応が進行し、2官能性誘導体である1,2-オキシムアルコールを与えた。(5)求核及びラジカル付加反応では、NaN_3やNaNO_2は空気に晒した条件でアジド基やニトライト基が付加し得ることを認めた。難溶性であり二量体(bifullerenyl)が生成したのではないかと推測される。関連して、2官能性カルボン酸誘導体、フラーレンアミノ酸誘導体の先駆体であるニトロ基とエステル基を置換したメタノフラーレンを得ることに成功した。
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