Project/Area Number |
10146236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小野 昇 愛媛大学, 理学部, 教授 (40093215)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | パイ電子系化合物 / ピロール / イソインドール / ポルフィリン |
Research Abstract |
新規パイ電子化合物としてアセナフチレン環が縮環したイソインドール型のピロールを基礎として、種々のベンゾポルフィリン及びピロール多量体、ピロールと他の芳香環が共役したパイ電子系化合物を合成した。この方法により、これらパイ電子系化合物の電子状態を自由に制御可能になった。基本骨格のイソインドールの合成は、これまで合成が困難であったが、本研究では、芳香族ニトロ化合物とイソニトリルから一段階で合成できる方法を確立できたので、任意のイソインドールの合成が可能となった。得られた化合物の電気化学特性及び吸収、発光などの光特性を検討した。イソインドールの蛍光量子収率は高い(90-100%)ので、これら一連のパイ電子系化合物は、発光材料や蛍光試薬としての応用が期待できる。また、ポルフィリンは700nmを超える強い吸収があるので、癌の光線治療や各種光電材料への応用が期待できる。 さらに、ピロールとビシクロ環とが縮環したピロールを基本骨格としたポリピロール及びポルフィリンの合成に成功した。ビシクロ環がピロール多量体の物性に及ぼす効果を電気化学と分光的に検討し、この置換基が優れた特性を持つことを見い出した。すなわち、この置換基は単純なアルキル基と異なり、剛直で方向性があるためピロールとピロールを共平面に保ったピロール多量体の構築が可能となった。
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