Project/Area Number |
10146250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
中辻 慎一 姫路工業大学, 理学部, 教授 (90124833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 順一 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90191311)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | スピン / 磁性 / 安定ラジカル / TEMPOラジカル / CT錯体 / フォトクロミズム / スピロピラン / 原子価異性体 |
Research Abstract |
本年度は、安定ラジカルから形成されるCT錯体として、4-アルキルアミノTEMPO類とアクセプターとしてテトラシアノアズレン用いて形成させたCT錯体の合成を行い、それらの磁気的性質の検討を行った。一方、フェニルニトロニルニトロキシド誘導体とアクセプター類とのCT錯体を合成する目的で検討を進めたところ、TCNQ類との反応では予期せぬ脱酸素反応が起こり、ほぼ選択的にイミンニトロキシド誘導体が得られることがわかった。この反応についての検討を進めて、種々のイミンニトロキシド誘導体の合成を行った。 また、分子の構造変化を利用して、磁性を相互変換させ得るスピン系を開発する目的で、TEMPOラジカルを置換基として有するスピロピラン誘導体の合成を行った。合成したスピロピラン類(閉環型)は365nmの光照射によりメロシアニン型(開環型)へと変化し、これらのメロシアニン体はいずれも固体として単離することができた。磁化率の温度依存性を検討した結果、閉環型スピロピラン類にはいずれも弱い強磁性的相互作用が観測され、開環型にはいずれも弱い反強磁性的相互作用されたことから、光および熱によるスピロピラン誘導体の構造変化に基づいた磁性の変換が可能であることがわかった。一方、ノルボルナジエンにTEMPOラジカルを置換させた誘導体を合成し、光を利用したノルボルナジエン-クワドリシクランの原子価異性系を構築した。しかしながら、これら原子価異性体の磁性はかなり類似しており、この場合には上記のスピロピラン誘導体とは対照的に磁性が保存されることがわかった。
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