Project/Area Number |
10146254
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
豊田 真司 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (80207646)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 道則 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40011407)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | π系相互作用 / トリプチシル基 / 回転異性体 / 絶対配座 / X線構造解析 / アセチレン回転異性 / 回転障壁 / 置換基効果 |
Research Abstract |
トリプチシル基間同士の電子的または立体的なπ系相互作用に関連して,非常に嵩高い9-トリプチシル基を2個有する以下の2系列の分子の構造を立体化学的見地から研究した. 「9,9'ビトリブチシル誘導体の光学活性回転異性体の絶対配座」本化合物の非常に高いC9-C9'結合の回転障壁を利用して,1,2-同種二置換エタンの立体化学的モデルである2,2',3,3'-テトラメトキシ化合物のキラル配座異性体の光学活性体の合成に成功した.分子の基本骨格はDicls-Alder反応を用いて構築し,キラルなsc異性体の光学分割はカンファ一試薬を用いたジアステレオマー法で行った.関連化合物のX線構造解析により,この化合物の絶対立体配座は(+)-Psc,(-)-Mscと決定できた.これはap-体がC2hの高い対称性を有するエタン型分子でも,scの配座になれば光学活性になれることを実証したもので,旧来の回転異性を無視した概念を打破するものである. 「ジ(9-トリブチシル)アセチレンの回転異性」トリプチシル基の立体障害によりアセチレン炭素を含むC-C単結合の回転が束縛されている標題化合物を合成し,回転障壁に及ぼす置換基の効果を研究した.Dicls-Alder反応とSonogashira反応の組み合わせにより,lおよびl'-位に異なる置換基を持つ目的化合物の効率的な合成に成功した.合成した9種類の化合物について回転障壁を動的NMR法により決定した.置換基がH,Me,OMe,ハロゲンの時回転障壁は10-17kcal/molの範囲にあり,置換基が大きくなるほど回転障壁が高くなる傾向が認められた.この置換基効果は回転の遷移状態が置換基同士の立体反発により不安定化されていることを実験的に示したものである.
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)