低金属量星の進化を通してのマゼラン星雲の星形成史探査の理論的研究
Project/Area Number |
10147201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤本 正行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00111708)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 恒星進化 / 球状星団 / 金属欠乏星 / マゼラン星雲 / 超新星1987A |
Research Abstract |
近年、大型望遠鏡やHubble望遠鏡によって、局所銀河群の個々の銀河の恒星を分離・測光することが、可能となり、近傍の矮銀河も、銀河系の球状星団と対応するような赤色巨星分枝が存在することが明らかになっている。一方、球状星団の場合、赤色巨星の恒星が、現在の標準理論では説明できない、表面組成の異常を示すことがわかっている。本研究では、まず、マゼラン星雲を含む、局所銀河系の初期進化を解明する手段を提供するため、低質量、低金属量の恒星の進化の全体像を明らかにすることを取り組んだ。まず、球状星団の赤色巨星で観測される組成異常について、^<24>Mgが反応していることに注目し、これが、単なる、核生成物の輸送のみでは説明不可能であり、内部での水素の拡散によって、殻フラッシュを起し、高温領域を創出することが必要であることをしめした。その後、フラッシュ層の膨張に伴う表面対流層の進入によって物質混合することによって、核反応生成物が表面に輸送されることになる。これは、現行の恒星進化の理論を超える新しい物質混合のモデルの提唱である。マゼラン星雲では、超新星SN1987Aが観測されたが、この星は、爆発に先立ち、青-赤-青色の巨星の間の遷移を示したことが、これは、観測上重要な問題であるにもかかわらず、現行理論では説明できない。この現象についても、新しい物質混合のモデルが適用できることを示した。 これらの成果は、米国天文学会誌に投稿するとともに、1999年春季天文学会で発表予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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