水素化イットリウム・ランタン膜の物性と可変光学材料の探求
Project/Area Number |
10148203
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山口 明 岩手大学, 工学部, 講師 (60242129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越後谷 淳一 岩手大学, 工学部, 教授 (00005539)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 希土類 / 水素化 / 光学材料 / 薄膜 / 電気抵抗 |
Research Abstract |
最近、YやLaの薄膜は水素化-脱水素化によって可逆的に金属-半導体遷移を起こし、それに伴い可視光域での光透過率が変化することがわかった。これらの光学的性質の変化を伴う水素化・脱水素化に関する研究は始まったばかりであり、全体像は明かではない。そこでY薄膜膜の水素吸収・放出過程について実験を行った。 Pd/Y膜は超高真空中で電子ビーム蒸着法を用いて石英ガラス基板上に作製した。5000ÅのYの上に200ÅのPdを蒸着させた。膜は他の容器に移して真空引きした後、水素ガス中で水素化した。その過程の電気抵抗測定も行った。水素化した膜の加熱による脱水素の様子も調べた。 水素化に伴い、不透明膜から橙色の半透明膜になるのが観察された。水素吸収後のX線回折から、長時間水素中に放置しても完全に三水素化物にならず、一部二水素化物が残ることがわかった。 水素吸収時の電気抵抗率の変化を調べると、初めに抵抗率は上昇し、次いで減少、最後に著しく増大した。これはα相からβ相、そしてγ相が析出するのに対応している。 次に水素化した膜を真空中に一日置いて脱水素化を試みた。X線回折から三水素化物のピークがみられ、脱水素もすぐには完了しないことがわかった。 このように、脱水素化は常温では非常に遅いことがわかった。そこで加熱させたときの脱水素化の様子を調べた。440℃で熱処理を行うと三水素化物が消失し、同時に酸化物が生成されることがわかった。さらにこの後、水素化処理を行った膜では三水素化物は生成しなかった。Pd保護層が役割を完全には果たさずに酸化物層が形成され、水素の拡散をブロッキングをしていると考えられる。 結論として、今回用いたような方法では脱水素化は容易ではない。保護層の最適化と共に、脱水素化を容易に行わせる組成・構造・方法をさらに探求することが今後必要であると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)