Project/Area Number |
10148221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂口 裕樹 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00202086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江坂 亨男 鳥取大学, 工学部, 教授 (70116317)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | プロチウム / Mg_2Ni / 中性子ラジオグラフィー / 水素吸蔵合金 / メカニカルアロイング |
Research Abstract |
本研究では、次世代の水素吸蔵合金として期待されるMg_2Niについて、この合金中の水素濃度を中性子ラジオグラフィー(NRG)を用いて非破壊で高精度に定量する手法を確立することを目的とした。また、微量の水素を対象とすれば水素脆性の影響を押さえてその挙動を観測することが期待できるため、合金中の水素の分布状態や拡散挙動を調べる試みも行った。 水素濃度の異なる試料Mg_2NiHx(X=0〜1.08)について得られたNRG像の黒化度と水素濃度の関係を調べたところ、水素固溶領域においては黒化度と水素濃度との間に良好な直線関係があることがわかった。これにより、Mg_2Ni中の微量・低濃度水素を高精度で定量できることが示された。他方、MgNi,Mg_2Ni,Mg_3Niの各組成の合金塊をNaBH_4水溶液を用いて水素化させ、水素吸蔵の進行の様子を観察した。Mg_2NiをNaBH_4水溶液に浸し、15分後に取り出してNRG測定を行ってみたところ、合金塊の縁の部分が白色となった像が得られ、水素吸蔵合金の初期水素化過程をはじめて観測することに成功した。Mg_3Ni (Mg_2NiとMgの共晶)の場合もMg_2Niと同様のNRG像が得られたが、水素化の進行は遅いことが示された。これらの試料では、水素化の初期では水素が合金塊の縁の部分に集中して存在し、合金内部へ水素の濃度勾配が緩やかに形成されるわけではないことが明らかにされた。NRG像で白く写った部分を削り取りXRD測定を行ってみたところ、この部分では水素固溶相を形成していることが示された。MgNiについては、上記の2種類の組成の試料と同様なNRG像は得られなかった。また、NaBH_4水溶液浸漬後8時間のNRG像を見るといずれの試料も水素化が合金内部へ進行していることがわかった。
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