Project/Area Number |
10148223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今村 速夫 山口大学, 工学部, 教授 (60136166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒多 喜久 山口大学, 工学部, 助教授 (40211263)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | マグネシウム / グラファイト / コンポジット / メカニカルグラインディング / 水素貯蔵 / 遊星ボールミル |
Research Abstract |
マグネシウム(Mg)をベース金属としてグラファイト(G)と複合化させることによる新規なMg/G系水素貯蔵材料の創製と、水素の吸放出を含めた貯蔵特性について検討することを目的とした。 ボールミルによる複合化条件(ミリング時間、成分組成、添加剤の種類や量など)が、コンポジッド構造・組織や物性、またそれらを反映した表面触媒作用、水素の吸放出特性に顕著に影響することがわかった。とりわけ、コンポジット形成における添加剤の効果は大きく、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、ベンゼンが有効であった。これらの添加剤が複合化過程におけるマグネシウムとグラファイトとの間の固相反応を制御し、コンポジット構造や特性をコントロールすることが予測できる。 マグネシウム金属粉末(4.2g)とグラファイト(1.8g)をミリングしたときの変化の様子をXRDで調べると、グラファイトに特徴的な(002)や(004)面の回折ピークはミリング時間とともに減少した。ピーク強度の変化の仕方は複合化条件によって違いは見られるものの、グラファイトに帰属される回折ピークは最終的には完全に消失し、ミリングにしたがってグラファイトの層構造が徐々に崩れて非晶質化することを示す。その際、菱面体晶構造への変化などは認められなかった。さらに添加剤を用いると、グラファイト構造の壊れ方に影響を及ぼすことがわかった。ラマンスペクトルによれば、ベンゼン(BN)を用いて複合化させた(Mg/G)_<BN>コンポジットでは、グラファイト層に沿った劈開的な壊れ方が優先して起こるのに対して、添加剤を用いないで作成した(Mg/G)_<none>では、割断的な壊れ方が支配的で急速に非晶質化していくことがわかった。また、添加剤はマグネシウムの分散性の向上にも効果があり、複合化をより促進させた。その結果、マグネシウム金属とグラファイトカーボンとの間に電子的相互作用が発現し、(Mg/G)_<BN>の水素吸放出活性が著しく増加すると考えられる。
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