傾斜型電子構造をもつ一次元共役高分子錯体の合成と物性
Project/Area Number |
10149211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 正人 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50292826)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 傾斜構造 / フェロセン / フェロセノファン / 高分子錯体 / 電気化学 / 熱開環重合 / アゾ / 多核錯体 |
Research Abstract |
本研究では、共役鎖で遷移金属錯体ユニット同士を連結した一次元鎖からなり、主鎖中における錯体ユニットの電子構造が規則的かつ連続的に変化するポリマー錯体およびオリゴマー錯体を研究対象とする。本年度は、フェロセノファンの熱開環重合法によるヘテロ原子架橋フェロセン共重合体の合成研究と、アゾ架橋配位子の合成研究を行なった。 Si,Ge,Pなどのへテロ原子で両方のCp環を架橋したフェロセノファンは、架橋原子団に依存して異なる温度で熱開環重合反応を起し、異なる酸化還元電位を持つレドックス共役ポリマーを与える。本実験では幾つかのフェロセノファンの組合せを検討した結果、[Fe(η^5,η^5-C_5H_4SiMe_2C_5H_4)](1)と[Fe(η^5,η^5-C_5H_4PPhC_5H_4)](2)の組合せが、融点、熱開環温度、レドックス電位の観点から、共重合体の合成に適した系であると判断し、さらに、両モノマーの比率と温度負荷条件による共重合体の生成について調べた。1は単独では2よりも低温で融解し、高温で開環重合を行なう。DSCの結果から、両者の混合体においては、1と2のモル比、Si/P>1/1のときは、2と1が分離して重合するが、Si/P<1/1のときは,1の重合温度が単独の場合より低くなり、共重合体が多く生成することが示唆された。この結果は、生成物のIRスペクトルや電気化学的性質からも支持された。さらに、定温開環反応の経時変化を調べたところ、l30℃あたりではまず2単独の重合が起こり始め、それとわずかな時間差で1と2の共重合が起こり始めることが示された。以上の結果から、1と2のモル比や温度を変化させることで、共重合体の組成分布等を制御できることを示唆された。 逐次合成法による傾斜構造型オリゴマー錯体の合成を行うための配位子として、テルピリジンやジカルコゲノレン系のアブ架橋型多座配位子を新規合成した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)