金属錯体-芳香環系における弱い相互作用と自己組織化
Project/Area Number |
10149219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 脩 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70029643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 俊 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90283457)
小谷 明 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60143913)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 分子組織体 / 分子認識 / 金属-芳香環相互作用 / 分子会合体形成 / 金属タンパク質 / プラストシアニン / 電子移動 |
Research Abstract |
1. 本研究は、分子組織体の構成要素として分子内および分子間相互作用を可能にする基を導入した二元および三元金属錯体を新たに開発し、極性基間の水素結合や金属-芳香環、芳香環-芳香環などの弱い相互作用を明らかにすると共に、芳香環スタッキングと水素結合の組み合せによる錯体分子の組織化と性質の解明を目指した。このため、各種金属錯体の合成ならびに錯体分子間および錯体と非配位分子との会合体形成を詳細に検討した。また、水素結合による金属タンパク質とペプチドとの結合についても明らかにした。 2. 分子認識の原動力は官能基間の弱い相互作用であることから、相互作用可能な基を有する錯体を用い、分子間相互作用の存在と様式解明を目指した。構造的に安定な錯体としてPt(DA)(AA)(DA=2,2'-ビピリジン(bpy)など;AA=L-アルギニン(Arg)、L-リシン(Lys)など)を合成し、芳香族カルボン酸、ヌクレオチドなどのゲスト分子との会合体形成をスペクトル法により検討し、平衡定数Kを決定した。これによりArg、Lys側鎖基による水素結合が選択的会合体形成に寄与することが示された。 3. 金属タンパク質分子間の水素結合および分子組織体形成の基本情報を得るため、側鎖に荷電基を有するアスパラギン酸ペプチド(Aspptd)およびリシンペプチド(Lysptd)をタンパク質モデルとして用い、金属タンパク質(プラストシアニン(Cu含有)、シトクロムcおよびf(ヘム鉄含有))との相互作用および[Fe(CN)_6]^<4->と負電荷を有するプラストシアニン(正電荷を有するシトクロムc)との相互作用に及ぼす上記ペプチドの効果を電子移動速度により調べた。この結果、金属タンパク質とペプチドが水素結合により会合体を形成することが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)