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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
近年の微細構造作製技術の発達により,量子ドット(ナノクリスタル),超格子,量子細線など,いろいろな次元性を持つメゾスコピック構造が作製され,従来のマクロスコピックな構造では見られなかった,いわゆる量子サイズ効果が観測されている。しかし,これらの研究のほとんどは無機半導体を中心とする無機物で行われたものであり,より多様な物質種を持つ有機物では,加工技術が十分に発達していないことから,そいういった研究はほとんど行われていない。本研究では,微細なハニカム構造を有するシリケイト微粒子を用いて,ハニカム構造の細孔に有機分子を集積化させることにより有機分子を一次元的に規則的に配列し,新しい物性や機能性を見出すことを目標にしている。今年度は,ハニカム構造の細孔に蛍光色素であるペリレン分子を吸着させ,単一のシリケイト微粒子の分光特性を検討した。 合成したシリケイト微粒子の細孔中にCVD法を用いてペリレン分子を集積させることが可能だった。ぺリレンは,モノマー状態とエキシマー状態とで異なる蛍光スペクトルを示すことが知られている。ペリレン分子を集積化させたシリケイト微粒子の集合体の蛍光スペクトルを蛍光分光光度計で検討したところ,CVD処理時間に応じてペリレンの蛍光スペクトルがモノマー様からエキシマー様に変化し,処理時間によって集積量を制御できることが示された。さらに,顕微鏡下で個々の微粒子の蛍光スペクトルを調べたところ,そのスペクトルは微粒子によって異なり,微粒子ごとの集積量の違いを分光学的に明らかにすることが可能になった。さらに重要なことに,微粒子の偏光特性は微粒子ごとに違いがみられ,細孔中で色素分子がある程度配列して集積化されていることが明らかになった。
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