金属の精密配列制御を目的とした主鎖型・遷核金属高分子錯体の合成
Project/Area Number |
10149244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 三郎 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (40081343)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | らせん / 鉄錯体 / アザジエン / ジエン / 高分子 / 精密配列 / ビナフチル / ビフェニル |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、らせん状高分子への金属錯体ユニットの導入により金属が精密に配列された高分子金属錯体を創製し、その化学的、物理的性質を明らかにすることである。本年度は、面性キラルな金属錯体構造を持つ高分子の合成とらせん構造構築という二つの方向から検討した。 (1) ジエン鉄カルボニル構造をユニットに持つ高分子の合成 n^4-アザジエンFe(CO)_3錯体を用いてジエン構造を持つポリエステル(Mw=4000,Mw/Mn=1.23)にFe(CO)_3ユニットを導入することを検討した結果、用いるアザジエン錯体の量に比例してポリマー中の鉄錯体含量も増え、完全にすべてのジエンを錯体化できることを明らかにした。さらに、光学活性なアザジエン錯体を用いた場合には、生成する高分子錯体内も光学活性となることもわかった。このFe(CO)_3トランスファーの機構は、中間に配位不飽和活性種を経る逐次的なFe(CO)_3移動反応と考えられるが、定量的なFe(CO)_3の導入と導入率のコントロールが達成できることから、ジエンポリマーの錯体化が一つの有効な方法であることが示された。一方、低分子ジエン(非対称モノジエン)へのFe(CO)_3ユニットの導入実験の結果から、高分子上への連続するFe(CO)_3ユニットの導入においては特別な構造効果が働くことが示唆された。 (2) らせん高分子の合成 先に筆者らが開発したビナフチル構造を持つポリ炭酸エステルのらせん構造を用いて、らせん上への金属錯体導入を行うための基礎実験として、置換基の導入が及ぼすらせん構造への影響について検討した。すなわち、ビナフチル基の6及び6'位にアルキル基を持つビナフトールを合成し、その重縮合により生成する高分子の構造をCDスペクトルにより検討した結果、アルキル基をナフタレン環に持たせても、得られたポリマーのモノマーユニットのCotton効果と逆のCotton効果を示すことから、これらの場合もらせん構造をとることが示唆された。さらに、ビナフチル構造に代わってビフェニル構造を導入しても同様のらせん構造が得られることも明らかとなり、らせん上への金属錯体構造の導入による金属の精密配列の可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)