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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1) モリブデン-カドミウム混合金属錯体 硫黄架橋不完全キュパン型モリブデンアクアクラスター錯体[Mo_3S_4(H_2O)_9]^<4+>(1)を出発物質として、モリブデンとカドミウムを含む3種の混合金属クラスター錯体の合成・X線構造決定・物性測定に成功した. [Mo_3CdS_4(H_2o)_9]^<4+>(2),[Co(H_2O)_6]^2(Hnta)_3Mo_3S_4Cd S_4Mo_3(Hnta)_3]・22H_20(3),および[(CH_3CN)(dtp)_3(μ-dtP)Mo_3S_4CdS_4Mo_3(μ-dtP)(dtP)_3](4)を合成し、3および4についてはX線構造を決定した。これら混合金属錯体は近赤外部に特徴的な吸収を示す。類似の構造をとる3と4の吸収スペクトルの相違は両者のCd-S間距離の相違に関係することが分子軌道計算より判明した(日韓DV-Xα合同シンポジウム,ソウル,1998年8月,第33回国際鉗体化学会議,フローレンス,1998年9月,第48回錯体化学討論会,1998年9月,高知にて発表)。 2) 高温加熱による集積型金属錯体の合成・物性測定 また、1の高温加熱により興味深い集積型金属錯体の合成を行うとともに、粉末X線回折法と電子顕微鏡観察により検討した。加熱により塩素と酸素が大幅に減少している。結晶性はあまり良好ではないが、加熱後の試料は加熱前の試料とは異なるパターンを示しており、構造変化が生じたことを示唆している。電子顕微鏡像の多くの箇所に縞模様が見えるが、その方向は不規則であり、湾曲している箇所も見られる。X線回折のブロードなピークはこのような不規則な結晶状体に起因していると思われる。縞の間隔は約6Åであった。また、直流4端子法で電気抵抗測定を行ったところ、半導体的な電気伝導性を示した。130K付近に小さな折れ曲がりが見られる。
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