B細胞終末分化から観た胃MALTリンパ腫の発生母地に関する研究
Project/Area Number |
10151218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若月 芳雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (40220826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
大野 仁嗣 京都大学, 医学研究科, 講師 (40263082)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | Helicobacter pylori / MALTリンパ腫 / HP-MP1 / サイトカイン / 感染組織 / 浸潤リンパ球 |
Research Abstract |
1. H.pylori菌の臨床分離株より、染色体遺伝子のIZapIIライブラリーを作成し、患者血清と家兎血清を用いてスクリーニングし、579bpよりなる新規遺伝子HP-MP1を同定した。 2. HP-MP1はN端に20個のアミノ酸よりなる疎水性領域があり、シグナルペプチド様のモチーフが存在したが分泌されず、免疫電顕上菌体内膜に接して存在していた。 3. HP-MP1はH.pyloriに特異的であり、また感染患者にのみ血清抗体を認めた。 4. 大腸菌を用いて組み換えHP-MP1、UreaseB,Ovalbuminを作成し、ヒト末梢血単球の培養に添加しその機能を検討した。HP-MP1,UreaseBにはOvalbuminと比較して強い単球の活性化能とIL-1b,TNF-a,IL-8の産生誘導能をみとめた。 5. 上部消化管内視鏡施行患者73名の胃生検組織より浸潤細胞を単離し、表面マーカーを解析し、T細胞が最も多いこと、H.pyloriの感染有無に関わらず、CD4T細胞の約9割はTh1タイプのサイトカインを産生すること、H.pylori感染によりその産生が増強することを認めた。 6. H.pylori感染胃粘膜ではCD38+/CD3-の形質細胞が生検組織あたり10〜20%を占め、CD19+細胞は0.1〜数%にすぎず、MALTリンパ腫症例ではCD19陽性B細胞が数10%にのぼることが判明した。 H.pylori感染胃炎においては、H.pylori菌体由来膜蛋白が粘膜下にtranslocateすることにより、単球が活性化され、単球由来のサイトカインと浸潤T細胞由来のサイトカインにより基本的にB細胞は形質細胞にまで終末分化をとげることが推定された。H.pylori感染胃炎でMALTリンパ腫を有する症例ではT-B細胞相互作用の結果、終末分化を抑制する細胞性因子が存在する可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)