一酸化窒素によって生じる新規DNA損傷の発ガン性に関する研究
Project/Area Number |
10151219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 圭祐 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (50159141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金折 賢二 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (30273543)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 遺伝子損傷 / グアノシン-オキザノシン変換 / グアノシンジアゾエートイオン中間体 / シチジンジアゾエートイオン中間体 / 遺伝子-タンパク質架橋反応 / DNAポリメラーゼ鎖伸長反応 / G:C→A:T転移 |
Research Abstract |
我々の発見した一酸化窒素(NO)と遺伝子中のデオキシグアノシン(Guo)残基との反応で生成するデオキシオキザノシン(Oxo)に関して、以下の研究成果をあげた。 1. Guo→Oxo変換反応全過程の解明に成功し、中間体としてGuoのエキソアミノ基に生じたジアゾエートイオン(Gd)を同定した。シチジンについても同様な研究を行い、ジアゾエートイオン(Cd)を経てデオキシウリジンに変換されることを証明した。Gd及びCdは新規化合物である。特にCdは安定であり、生理的条件下で数百時間の半減期を持つことを明らかにした。 2. 1で発見した新規損傷Oxo、Gd、Cdのアミノ基との反応性を解析し、総てが高い反応性を持つことを明らかにした。すなわちこれらの損傷塩基は核内タンパク質を構成する塩基性アミノ酸残基あるいは核内ポリアミン等と架橋反応をする可能性を持っており、NOのガン化との強い関係を示唆するものである。 3. Oxoに対するDNAポリメラーゼの認識に関しても検討を行った。亜硝酸とデオキシグアノシン三リン酸の反応で合成したデオキシオキザノシン三リン酸(dOTP)をモノマーとして用いたDNAポリメラーゼ(大腸菌DNAポリメラーゼクレノウフラグメント、T7-DNAポリメラーゼ)による鎖伸長反応で、dOTPがdGTP及びdATPの代わりに取り込まれ、細胞内ヌクレオチドプールで生成したdOTPがG:C→A:T転移を誘発する可能性を示唆した。以上示したように、本研究で明らかにした結果は総べて新規の発見に関するものであり、NOと遺伝子中の塩基との反応によって生成する損傷が遺伝子の変異を誘発するものであり、発ガンのメカニズムとの関連性を慎重に検討することの必要性を示すものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)