ケラチノサイト三次元培養系を用いたヒトパピローマウイルス遺伝子機能の解析
Project/Area Number |
10151220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 博幸 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (80281731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 秋稔 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (50073127)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 子宮頚癌 / HPV / テロメレース / 転写因子 |
Research Abstract |
1. ケラチノサイト三次元培養系の確立。 ヒト角化細胞を用いて三次元培養型を構築した。切片像の観察により皮膚の分化像にかなり近いモデルの構築に成功した。いくつかの分化マーカーに関しては確認済であるが、更に各種の指標となる蛋白の発現を検討している。 2. 三次元培養系におけるウイルス複製機構の解析。 三次元培養系を用いたウイルス複製機構の解析を進める前に、通常の培養細胞系において環状化したHPV・DNAの複製を観察した。ここでは分化に関わらず、低レベルのDNA複製が認められた。この実験系ではHPVのE1、E2が複製に関与しており、その他の遺伝子の機能は観察できなかった。この実験を三次元培養系に適応する予定である。 3. E6/E7によるテロメラーゼ活性の調節。 HeLa細胞中にはテロメラーゼ活性が高いレベルで検出されるが、E2の発現導入によってテロメラーゼ活性が低下することが明らかとなった。ここにもE6/E7の発現抑制が関与しており、p53やRBなど癌抑制因子を介した機構以外にもE6/E7が癌細胞の増殖能の維持に機能している可能性が示唆された。 4. HeLa細胞増殖阻害におけるE2転写活性化能の意義について。 HeLaなどHPV陽性癌細胞のE2発現による増殖阻害には、E2の持つ転写活性化能が重要である。この増殖阻害にはE2がE6/E7のプロモーター領域に結合することが必要と考えられており、このE2-DNA結合に転写活性化能が必要であることが示された。しかしこの必要性はDNA側のcontextに依存しており、プロモーター活性の低いDNA領域には転写活性化能を持たないE2でも効率よく結合できることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)