RNA結合蛋白CIRPによる細胞増殖の抑制機序と臨床的意義
Project/Area Number |
10151223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 克彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (90281097)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | CIRP / 低温ショック / RNA結合蛋白質 / 卵巣がん / 脳 / 遺伝子欠失 / がん抑制遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、低温ショック蛋白質CIRPの結合する相手方のmRNAを同定し、細胞増殖の抑制機序を明らかにすること、ヒトCIRP遺伝子は第19番染色体の短腕に存在し、同部位は卵巣がんでしばしば欠失がみられる部位であるので、CIRPが卵巣がんで不活性化されている癌抑制遺伝子であるがどうかを検討することを主目的とした。 1. CIRPに特異的に結合するRNA分子の同定。報告されている方法に従い、ランダムな配列の35-40マーRNA集団をリコンビナントCIRPのカラムに通して、CIRPに結合するRNAを濃縮した。これを繰り返し残ったRNAのcDNAをベクターに組み込み、各クローンの塩基配列を決定したところ、すべてに共通する塩基配列はなかったが、2種の候補が得られた。その配列を含むRNA分子との結合を解析中である。 2. ヒト卵巣がん組織を12例Northern解析した。CIRPのmRNA発現が6例では明らかに低下していた。残り6例ではいろいろな程度に発現を認めたが、臨床所見との相関は不明であった。また、5例でCIRP遺伝子の欠失が認められた。これらの例で残存Cirp遺伝子の塩基配列を決定したが、変異は明らかではなかった。さらに解析予定である。 3. マウス脳でCIRPのmRNAと蛋白の発現レベルに日内変動がみられたが、精巣や肝臓ではみられなかった。大脳皮質や視交叉上核の神経細胞で発現は夕方に高く、夜中に低かった。CIRPは概日リズムに関係する働きをしている可能性がある。 4. マウスで神経系の発生過程におけるCIRPの発現を調べた。神経細胞の増殖停止、分化の時期に発現がみられた。培養神経系細胞ではCIRP発現を抑制すると分化も抑制され、発現亢進する条件では分化も促進された。CIRPは神経細胞の増殖を抑制し、分化を促進するようだ。3.とともに、ノックアウトマウスにより解析予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)