激増するチェルノブイリ周辺小児甲状腺がんの分子疫学調査
Project/Area Number |
10151240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 裕幸 長崎大学, 医学部, 助教授 (80237635)
伊東 正博 長崎大学, 医学部, 助教授 (30184691)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 甲状腺がん / p53 / アポトーシス / DNA修復 |
Research Abstract |
チェルノブイリ周辺3ヶ国(ロシア共和国、ウクライナ共和国、ベラルーシ共和国)の研究機関と共同し小児甲状腺がんの生検標本及び手術標本を入手し組織学的な解析ならびにがん関連遺伝子の解析を行い分子レベルでの特徴を明らかにすることを目的とする。 チェルノブイリ原発後の小児甲状腺がんスクリーニング調査により放射性ヨード被曝により甲状腺がんの発症が増加することが示唆された(Thyroid 8,1998)。 ベラルーシ共和国の小児甲状腺がん患者の手術標本と日本の小児甲状腺がん患者の手術標本を組織学的に比較検討を行った結果、ベラルーシの症例では間質性組織の増加が見られ、いわゆる硬性腫瘍であることが明らかになった(Endocrine J 45,1998)。 さらにチェルノブイリ周辺では一過性の甲状腺機能亢進症が見られ、慢性甲状腺炎の罹患率が高いことが明らかになった(Thyroid 8,1998)。 組織標本を用いてがん関連遺伝子の一つであるret遺伝子の再配列についてチェルノブイリの症例と日本の症例を比較検討したところ、チェルノブイリの症例では約60%に異常を認めるが日本の症例では約30%であることがわかった(Thyroid 8,1998)。さらに、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ共和国の現地スタッフの育成を目的として共同作業をおこない、ロシア語版の甲状腺超音波診断の教科書や甲状腺疾患に関する教科書を作成、出版した。今後現地での甲状腺がんスクリーニング及び追跡調査を継続するとともに放射線誘発甲状腺がんの組織的、遺伝子的特徴を詳細に解析して行く予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)