Project/Area Number |
10151246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井上 正康 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80040278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英介 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60211942)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 酸化ストレス / 活性酸素 / 胃粘膜障害 / 発がん / NO / H.pylori / スーパーオキシド / ペーオキシナイトライト |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は強い抗菌作用を示すので、食物中の細菌の多くは強酸性胃液や唾液と野菜の亜硝酸から生ずる多量のNOにより有効に殺菌される。しかし、H.pyloriのごとく、胃の酸性環境でも生育して粘膜を障害する細菌もいる。高いウレアーゼ活性が本菌の胃内棲息に重要と考えられているが、NO抵抗性の分子機構は不明である。予備実験により、本菌が積極的に活性酸素を産生して胃液中のNOを消去し、変異原性を有するパーオキシナイトライト(ONOO^-)を産生することを見出した。本研究は、H.pyloriの活性酸素産生機構、生じたパーオキシナイトライトの本菌と胃粘膜細胞の遺伝子に対する影響、及びその癌原性を明らかにすることを目的として行われた。 解析の結果、H.pyloriはO_2^-産生量が多いにも関わらずSODが低いため、これをNO消去剤として利用して胃内生存を可能にしていることが判明した。 一方、スーパーオキシドやパーオキシナイトライトも酸化ストレスとして菌体に有毒な作用を示し、本菌蛋白のカルボニール化やチロシン残基のニトロ化を起こすことが判明した。さらに、本菌のDNAも酸化修飾されていることが判明した。この所見は、本菌の遺伝子多型のメカニズムや胃粘膜での発癌機構を理解する上で極めて重要な所見である。
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