新しいシグナル伝達分子Cas-Lの癌浸潤、転移における役割
Project/Area Number |
10152215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | VLA / CD29インテグリン分子 / FAK / Cas-L / チロシンリン酸化 / 癌転移 / 癌増殖 |
Research Abstract |
我々はVLA/CD29インテグリン分子由来シグナル伝達機構において、癌細胞の転移・増殖に至る経路の岐点にある新しい伝達分子としてCas-Lを報告した。Cas-LがVLA/CD29刺激による癌細胞転移・増殖に不可欠な伝達分子であるという新しい視点から得られた知見は、癌の新しい治療法開発にも重要である。今回、我々はCas-Lのチロシンリン酸化機構を明らかにした。FAKは直接Cas-Lをチロシンリン酸化し、さらにCas-LのYXXPモチーフ及びYDYVHLのチロシン部位がFAKによりリン酸化されることが明らかになった。さらにCas-LのYXXPモチーフはチロシンリン酸化されたYDYVHL配列にリクルートされるSrc型チロシンキナーゼにより、リン酸化されることが明らかになった。Cas-Lはリンパ球に発現されていることから、次にCD3/TCR刺激によるCas-Lのリン酸化について検討した。CD3刺激により1分、5分後にCas-Lはチロシンリン酸化され、20分後には脱リン酸化された。しかし、FAKはリン酸化されなかった。VLA/CD29刺激ではCas-L、FAKともリン酸化されるが、kinetisは異なり、CD3刺激と異なりVLA/CD29刺激では5分位から始まり、20分経ってもCas-Lはリン酸化されていた。次に、FAKに結合するCas-LのSH3ドメインを欠いた変異体Cas-L△SH3を用いてCas-Lのリン酸化を検討した。この結果よりCas-L△SH3はCD3刺激によりリン酸化されたがCD29/VLA刺激ではリン酸化されなかった。この様にCD3刺激によるCas-Lチロシンリン酸化はVLA/CD29依存性Cas-Lのチロシンリン酸化とは異なるメカニズムで起こることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)