Gタンパク質共役受容体を介する細胞増殖制御シグナルの分子機構
Project/Area Number |
10152218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊東 広 東京工業大学, 生命理工学部・寄附講座客員助教授 (10183005)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Gタンパク質 / 細胞内シグナル伝達 / MAPキナーゼ / 低分子量GTP結合タンパク質 |
Research Abstract |
哺乳類のMAPキナーゼは、主にERK、JNK、p38の3種類のグループに分けられ、いずれも細胞膜から核へのシグナル伝達において重要な機能を果たしている。ERKが細胞の増殖や分化に、一方、JNKとp38は、アポトーシスやストレス応答に関与することが明らかにされつつある。αβγの3種類のサブユニットよりなるGタンパク質は、膜7回貫通型受容体と連関し、細胞内に情報を伝えるシグナルのトランスデューサーとして働いている。しかし、Gタンパク質からMAPキナーゼの活性化に至る分子機構に関しては多くの不明の点が残されている。まず、各々のGタンパク質のサブユニットから、どのような分子を介して各々のMAPキナーゼが活性化されるかを調べたところ、Gαq/11からJNK及びp38へのシグナル伝達経路にSrcファミリーチロシンキナーゼとPKCの両者が関与することが明らかとなった。また、活性型Gαq/11の発現に伴い、いくつもの細胞内タンパク質がチロシンリン酸化されること、さらにSrcファミリーチロシンキナーゼの活性が上昇していることを見い出した。一方、GβγによるMAPキナーゼ力スケードの活性化機構を解析するために、JNKの活性化因子であるMKK4とMKK7のcDNAを単離して、それぞれの野生型と優勢抑制型変異体を作成した。それらを発現させて調べた結果、GβγによるJNKの活性化は、主にMKK4を介すること、また、その活性化にいたる経路にRhoおよびCdc42が関与することが明らかとなった。さらに、強力な転写活性を示すヒトタンパク質生合成延長因子(EF-1α)のプロモータとlacオペレータを組み合わせた哺乳動物細胞用の新規誘導型高発現ベクター(pEF-LAC)を構築し、そのベクターを用いて活性型Gαi2の発現によっておこる細胞の癌化の際に、RasおよびJNKが活性化されることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)