Project/Area Number |
10152226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
影山 龍一郎 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | Notch / Hes / bHLH / 側方抑制 / 標的遺伝子破壊 / ノックアウトマウス / 細胞分化 |
Research Abstract |
Notchは細胞外にEGFモチーフをもつ膜蛋白で、リガンド刺激で活性化されると分化を抑制する。細胞外ドメインが欠落すると恒常的活性化型になり、白血病や乳癌等を引き起こす。活性型Notchから分化抑制に至る細胞内分子機構には不明の点が多いが、我々が同定したbHLH型転写因子Hes1,Hes5の関与が示唆されている。そこで本研究ではNotchによる癌化機構を明らかにするために、神経分化をモデル系としてNotch経路におけるHesの役割について解析を行った。まず、活性型Notchによって内在性のHes1とHes5の発現が増加したので、両遺伝子がNotchの機能に必要がどうかを調べるために、Hes1あるいはHes5が欠損したマウス、およびHes1とHes5が同時に欠損したマウスを作製した。これらのマウスから調製した細胞に対して、活性型Notchを発現するレトロウイルスを感染させて分化制御を調べた。その結果、Hes1あるいはHes5のどちらかのみが欠損した場合には野生型のときと同様、Notchによる分化抑制がみられたのに対して、Hes1とHes5が同時に欠損したときにはNotchによる分化抑制が解除された。すなわち、(1)Hes1かHes5のどちらかがあればNotchは分化抑制できること、そして(2)両遺伝子はNotchの下流で必須のエフェクターとして機能することが明らかとなった。HesはbHLH型分化決定因子の機能を阻害して分化を抑制することが知られている。これらの結果から、哺乳動物の細胞分化は「Notch→Hes1/Hes5┫bHLH型分化決定因子」(→促進;┫抑制)という経路で制御されることが示された。ただ、Hes1とHes5が同時に欠損した場合でもNotchによって分化抑制を受けている細胞が少しみられたことから、Hes1とHes5以外にもNotchの下流で機能する因子の存在が示唆された。今後は、この未知の因子の探索を行い、Notch経路の全体像を明らかにしていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)