白血病の原因遺伝子としてのWT1遺伝子の分子生物学的機能の解析
Project/Area Number |
10152230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 啓恭 大阪大学, 医学部, 助教授 (80194447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 豊吏 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
尾路 祐介 大阪大学, 医学部, 助手 (20294100)
相馬 俊裕 大阪大学, 医学部, 助手 (40273619)
岡 芳弘 大阪大学, 医学部, 助手 (20273691)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | WT1遺伝子 / Leukemogenesis / apoptosis / signal transduction |
Research Abstract |
WTl遺伝子はWilms腫瘍の原因遺伝子として単離され、一般には、癌抑制遺伝子として認識されている。しかし、この遺伝子はほとんど全ての白血病で異常高発現しており、発現量の多い白血病患者は化学療法が効きにくいこと、また、再発して白血病の悪性度が高くなると、さらに白血病細胞当りのWTl発現量が上昇することなどより、造血組織では、leukemogenesisを進める癌遺伝子ではないかと推察される。32Dc13細胞にWTl遺伝子を導入すると、IL3刺激を解除し、G-CSFを投与すると、32Dc13細胞は未分化な形質のまま、嗜増殖し続けた。この系で、G-CSFレセプターからのsignal transductionを解析したところ、G-CSF刺激に対して、Stat3α、Stat3βの両者の活性化が生じていたのに対して、コントロールの32D細胞では、Stat3αが一時的に活性化したのみで、Stat3βの活性化は確認できなかった。また、32Dc13細胞は、IL3刺激を解除すると、短時間のうちにapoptosisを起こす。しかし、WTl遺伝子を強制発現させた32D細胞では、survivalが延長した。このWTlによるapoptpsis抑制機序を解明するために、apoptosis関連遺伝子の発現量および活性化の有無を解析したところ、bcl2,bclx,Bax,caspase-2,およびcaspase-3には、差は認められなかった。したがって、未知のapoptosis関連遺伝子が関与している可能性があり、現在、apoptosis cascadeにおけるWTlの作用点について解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)