Project/Area Number |
10152233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 文雄 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (50012670)
前川 隆文 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90273721)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 転写 / RNAポリメラーゼII(PolII) / 基本転写因子 / 遺伝病 / TFIIE / TFIIH / リン酸化 / DNA修復 |
Research Abstract |
1. 線虫TFIIEホモログの同定と解析 真核生物ではRNAポリメラーゼII(PolII)が、5種の基本転写因子の助けで転写を行っている。その際基本転写因子TFIIEは、もう一つの基本因子TFIIHと協調し転写開始と伸長段階への移行に関与している。これまで、ヒトTFIIEの構造と活性の相関を欠失変異体を用いて解析し、20〜30アミノ酸の範囲内に活性領域を特定した。現在更に個々のアミノ酸レベルで解析を進めるため、異なる種間でホモログを取りアミノ酸配列の保存性を調べている。今回、全ゲノム配列の決定された線虫からTFIIEホモログを同定し、解析した。まず小さい方のTFIIEβサブユニットは、大腸菌で発現後、精製してヒトと転写での機能が置き換るかを調べると、完全では無いながら置き換ることが分った。一方、線虫TFIIEαは置き換らなかった。TFIIHのPolIIリン酸化のTFIIEによる促進活性について同様に調べると、転写と良く一致して線虫TFIIEβではリン酸化が進んでいるのに対し、線虫TFIIEαを用いるとリン酸化の促進は見られなかった。 2. TFIIHの欠損に起因する遺伝病患者細胞に由来する欠損TFIIHの活性と機能の解析 TFIIHは9個のサブユニットよりなり、転写だけでなくDNA修復にも関与する重要な蛋白質である。特に、大きい2サブユニットXPBとXPDがDNA修復に直接関わることが分っている。遺伝的にこれらに欠損を有する家系が存在し、患者は転写、DNA修復能が低下していることにより癌になりやすくなったり、発育や神経系の発達が遅れていることが明らかにされている。今回、これらのサブユニットに欠損を有する2種の細胞から欠損TFIIHを精製し、そのサブユニット構成や転写、リン酸化における活性を調べた。すると転写活性やリン酸化活性の低下と患者の病態に相関性があることが分った。
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