軟骨の悪性腫瘍化と血管新生阻害因子コンドロモジュリン-1の役割
Project/Area Number |
10152238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
開 祐司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40144498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 直人 新潟大学, 医学部, 講師 (10251810)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 軟骨肉腫 / アデノカルシノーマ / 腫瘍血管新生 / コンドロモジュリン-1 / 血管新生抑制因子 / 関節軟骨 / 血管内皮細胞 / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
固形腫瘍の増殖や転移が腫瘍組織への血管新生と密接に関係する。一方、軟骨組織は間葉系の組織としては例外的に無血管である。これは、軟骨組織中に血管新生を阻害する局所因子が含まれているためである。我々は軟骨組織に特異的に発現する血管新生阻害因子を発見し、コンドロモジュリン-I(ChM-I)と命名した。ChM-I遺伝子は血管侵入に抵抗性を示す静止軟骨・増殖軟骨・初期肥大化軟骨層に特異的に発現し、血管侵入抵抗性を失う後期肥大化軟骨層から石灰化軟骨層では、発現しない。そこで、ヒトChM-I前駆体cDNAをCHO細胞に発現させた。発現された組換え体は、所定の部位でプロセスされて細胞外に分泌された。次いで、還元後Refoldingさせることにより、生物活性を保持した組換え体(rhChM-I)の生産に成功した。 次に、rhChM-1の抗腫瘍活性を検討した。すなわち、ヒトcolon cancer cell line HT-29をヌードマウス皮下に移植し、腫瘍組織周囲にrhChM-Iを投与した。その結果、rhChM-I投与群では著明な腫瘍造成阻害活性を示した。また、ヒト正常軟骨ではChM-I遺伝子の発現が容易に検出される。しかし、ヒト軟骨肉腫組織のChM-I mRNAの発現レベルは、正常組織の1-0.1%に低下をきたしている事が判明した。一方、同時に検討したEnchondromaなどの良性贋瘍では、正常関節軟骨とほぼ等しい発現レベルを認めた。ところで、ヒト由来軟骨肉腫細胞株OUMS-27ヌードマウス皮下に移植し、腫瘍組織周囲にrhChM-Iを投与した。その結果、rhChM-Iは軟骨肉腫に血管侵入抵抗性を回複させ、著明な腫瘍造成阻害活性を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)