性ホルモン依存性癌組織におけるマトリックスメタロプロテアーゼの発現
Project/Area Number |
10152255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 浸潤・転移 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 胃癌 / 活性化 / 局在 |
Research Abstract |
性ホルモン依存性腫瘍の子宮内膜癌を中心としたヒト固形癌において、一群のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)とそのインヒビター(TIMP)の発現と産生レベルおよび発現細胞の局在について検討するとともに、膜型MMP(MT-MMP)とMMP-9に関しても研究した。これらの研究より、以下の諸点について明らかにした。 (1). ヒト子宮内膜癌では、MMP-7,8,9の産土量が非癌部組織より有意に高値であるが、これらのうちMMP-7のみがリンパ節転移と正の相関を示した。免疫組織学的にMMP-8,9は炎症細胞に局在するのに対し、MMP-7は癌細胞に限局し、癌細胞での特異的発現はin situhybridizationでも示された。潜在型MMP-7産生を示す子宮内膜癌の全症例で活性型MMP-7が検出され、癌組織内での効率的な活性化が示された。本データは、ヒト子宮内膜癌のリンパ節転移にMMP-7の発現と活性化が重要な役割を果たすことを初めて明らかにした。 (2). ヒト胃癌においてもMMP-7は癌細胞特異的に発現し、その産生量は癌組織で有意に高値であった。また、癌細胞の免疫組織染色陽性率はリンパ管や静脈内侵入の程度やリンパ節および肝転移率と相関し、MMP-7は胃癌の転移に深く関わることが示された。 (3). MTl-MMPのカルボキシル末端にFlagを付けたりコンビナント蛋白をアガロースビーズ上に固相化するモデルを作り、MTl-MMPによる潜在型MMP-2活性化にTIMP-2が必須の分子であることが実証した。また、腫瘍細胞の悪性形質転換でMTl-MMPの発現誘導がおこり、MTl-MMP/MMP-2のシステムが浸潤・転移に重要であることを実験的に示した。 (4). MMP-10を精製し、本酵素が潜在型MMP-9の活性化酵素作用をもつことを初めて実証し、MMP-9の癌組織での役割解析への道を拓いた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)