リンパ節転移がんに有効な制がん剤ドラッグデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
10153205
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南川 典昭 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (40209820)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | CNDAC / リン脂質 / DDS / リンパ / 肺転移 / ターゲッティング / B16ソラノーマ |
Research Abstract |
(1) 我々が開発した酵素的リン脂質誘導体の合成法を応用して、DPP-CNDAC約10gを活性評価用サンプル(10g)を合成した。リン脂質誘導体の化学合成は一般的には繁雑であり、また、CNDACは、2'-位で異性化しやすいために化学変換が困難であるが、我々が開発したホスフォリパーゼDの触媒するホスファチジル基転移反応を応用したホスファチジン酸エステルの合成法を用いることにより、DPP-CNDACを簡便に合成できた。 (2) DPP-CNDACは安定なリポソームを容易に形成し、DPP-CNDAC含有の細網内皮系回避型リポソームとして投与することでDPP-CNDACの制がん活性が増強されることを既に明らかにした。 今回・同リポソームのマウスでの体内分布をPositron Emission Tomography(PET)により解析した。その結果、B16BL/6細胞を尾静脈移植して作製したマウス肺転移モデルにおいて特異的にDPP-CNDAC含有リポソームが肺に集積することが明らかとなった。その理由は明らかではないが、このような肺への特異的集積は、B16BL/6細胞を移植したマウスのみに認められ、がんを移植していないマウスでは観察されなかった。 (3) 上記の結果に基づき、B16BL/6肺転移モデルでのDPP-CNDAC含有リポソームの効果を検討した。その結果、顕著な肺転移結節の縮小及び結節数現象が見られた。DPP-CNDACを種々の剤形で投与し、その効果を比較検討した結果、この抗肺転移効果は、DPP-CNDACをコレステロール含有リポソームとして投与したときにのみ発現し、DPP-CNDAC自体、またはコレステロールを含まないリポソームとしてDPP-CNDACを投与した場合は認められないことが判った。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)