白血病細胞における転写因子GATA-2の転写調節機構の解析
Project/Area Number |
10153206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 典夫 東北大学, 医学部, 教授 (00004606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 聡 東北大学, 医学部, 助手 (50292214)
峯岸 直子 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40271895)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | GATA-2 / 転写因子 / 造血細胞特異的エンハンサー / 選択的プロモーター / 白血病細胞 / 転写調節 / 遺伝子導入マウス |
Research Abstract |
転写因子GATA-2は血液細胞の発生・分化に関与し、特に、造血幹細胞や前駆細胞の増殖、自己複製には本因子の発現が必要で、その発現持続と白血病化との関連性が示唆されている。本研究では、GATA-2遺伝子が2つの選択的プロモーターによって制御されている、即ち、近位のIGプロモーターが殆ど全てのGATA-2発現細胞で働いているのに対し、遠位のISプロモーターの活性は造血組織だけに選択的に検出されるというこれまでの成果の上に立って、本遺伝子の転写調節機構、特にISプロモーター/エキソン領域について解析を行った。1)昨年に引続き遺伝子導入マウスを用いた造血組織における調節特性の検討をおこなった結果、IS第1エキソンの5'端に隣接する6 kbpの配列を導入遺伝子に含めると、β-ガラクトシダーゼあるいはGFPレポーター遺伝子が大動脈傍臓側板、AGM領域および神経組織で発現することが確認された。2)in situハイブリダイゼーション解析によれば、これらの組織の内因性GAIA-2の発現状況をレポーター遺伝子の発現が特異的に再現していた。3)AGM領域および胎児肝のGFP発現陽性細胞にはflk-1、c-kitおよびCD45抗原が同定され、GATA-2は未熟造血細胞で発現されていることが示された。4)6 kbp ISプロモター配列の5'側3.5kbpの領域はデオキシヌクレアーゼ高感受性部位の一つを含み、この領域を欠失させると、造血細胞における発現が全く消失した。以上により、発生初期に機能するGATA-2遺伝子の造血細胞特異的エンハンサーが、ISエキソンの5'側2.5kbp〜6.0kbpの範囲に存在することが実証された。なお、白血病細胞株UT-7およびM-TATでもISエキソンが実際に転写されていることが確認されたが、サイトカインの影響についてはさらに検討が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)