子宮内膜癌の発生・進展に関与するがん抑制遺伝子の単離・解析
Project/Area Number |
10153207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 信二 東北大学, 医学部, 講師 (10142960)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 子宮内膜異型増殖症 / 第10番染色体長腕 / PTEN / LOH,MSI |
Research Abstract |
これまでに我々は、多数の子宮内膜癌症例の切除標本を用いて染色体欠失領域の検索を行い、第10番染色体長腕に790kbの高頻度の共通欠失領域を見いだし,この共通欠失領域に子宮内膜癌の発生・進展に関与するがん抑制遺伝子の存在する可能性を強く示唆した。この領域はPTEN遺伝子の局在部位よりも少しテロメア側であり、PTEN遺伝子以外に10qにがん抑制遺伝子が存在するものと思われる。コスミドクローンをプローブとして使用したFISH法によるより詳細な検討の結果,共通欠失領域を100kbという極めて狭い範囲に限局することができた。子宮内膜異型増殖症の標本を顕微鏡下にマイクロダイセクションし腫瘍部と非腫瘍部をそれぞれ集め,各々からDNAを抽出し,我々が子宮内膜癌で同定した10q25-q26領域とPTENの領域のLOH解析をマイクロサテライトマーカーを用いて施行した。その結果,子宮内膜癌同様に10q25-926の高頻度のLOH及びMSIを認めた。さらにMSI陽性の場合の標的遺伝子であるPTEN、BAX、IGFIIR遺伝子変異の検索を行い子宮内膜異型増殖症において既にこれらの遺伝子に変異が生じていることを確認した。 PTENの異常は、同年他のグループにも報告された。10q25-q26の領域の欠失は組織学的にはG1と相関している事を既に我々は報告していたが,前癌病変と考えられる子宮内膜異型増殖症においても高頻度に欠失していたことは,子宮内膜異型増殖症とG1との関連を強く示唆している。 この共通欠失領域のgenomic cloneをショットガン法を用いてtotal sequenceを行い、GenScanとGRAIL2を用いてエクソンの推定,更に共通欠失領域の部位にマップされたESTを用いてcDNA screcningを行い、得られたcDNAのsequenceとtotal genomicsequenceの比較を行い遺伝子のgenomic structureを決定し、遺伝子異常のスクリーニング、遺伝子産物の機能解析及び遺伝子診療へ向けての予備実験を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)