Project/Area Number |
10153212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒瀬 尚 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10261900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 博司 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50233226)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | NKR-P1 / FcRγ / Th1 / Th2 / CD3ζ / FcγRIII |
Research Abstract |
NKR-P1分子は、腫瘍細胞上の糖鎖を認識するNK細胞の活性化抗原レセプターの一つであると考えられている。本研究では、NKR-P1分子の抗腫瘍免疫応答における機能とNKR-P1分子を介した新たな抗腫瘍免疫応答制御方法を開発するために、NKR-P1分子のリガンドの検索とシグナル伝達機構の解析した。 まず、NKR-P1に結合してくる分子を検索した。その結果、FcRγ鎖がNK1.1分子に結合していることが明らかにした。さらに、FcRγ鎖欠損マウスを用いて解析した結果、通常マウスのNK細胞は、固相化抗NK1.1抗体刺激に対してIFN-γを産生するのに対して、FCRγ鎖欠損マウスのNK細胞は全くIFN-γを産生しないことを明らかにした。以上より、NK1.1分子のシグナル伝達にFCRγ鎖が必須であることが判明した。 次に、T細胞ハイブリドーマにNK1.1分子およびFcRγ鎖遺伝子を導入した細胞を作製した。その結果、T細胞ハイブリドーマにおいてもNK細胞と同様にFcRγ鎖がNK1.1分子のシグナル伝達に必須でることが判明したと同時に、機能的なNK1.1分子を発現する細胞の樹立に成功した。現在、この細胞を用いてNK-1.1分子のリガンドの解析およびシグナル伝達機構を解析中である。 NK細胞には、TCRの構成分子の一つであるCD3ζ鎖が発現していることが知られていたが、その機能は依然として明かではない。そこで、CD3ζ鎖欠損マウスよりNK細胞を採取し、各種細胞表面抗原を解析したところ、正常マウスのNK細胞と比較してFcγRIIIの発現が顕著に増強していることが明らかになった。また、機能的にも亢進していることが明らかになった。以上より、CD3ζ鎖は、単純にシグナル伝達分子として機能するばかりでなく、FcγRIIIの発現制御分子としても重要な機能を担っていることが明らかになった。
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