Project/Area Number |
10153214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石橋 正己 千葉大学, 薬学部, 教授 (90212927)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 天然物 / 抗腫瘍性 / 探索 / 海綿 / 渦鞭毛藻 / 殺細胞活性 / 熱帯植物 |
Research Abstract |
本研究では、天然物からの新しい抗がん剤リード化合物の探索番を第一の目的とし、そのための新しい抗癌剤探索素材の開発、ならびにそれらの天然素材からの抗腫瘍性新分子の分離精製に関する研究を行い、以下の諸結果を得た。 1. がん細胞に対する殺細胞作用を示す海洋天然物の探索:沖縄産プラコルチス属海綿の殺細胞活性成分の探索を行い、酢酸エチル可溶部より、6種の新規ポリケチド環状パーオキシドを単離し、それらの化学構造を明らかにした。これらの新規化合物はマウス白血病細胞L1210およびヒト上皮がん細胞KBに対する殺細胞活性を示した。また、沖縄産テオネラ属海綿より分離した殺細胞活性および血小板形態変化作用をもつマクロリド、テオネゾリドAについて、精密立体構造の解析を行い、未解決であった一部の不斉炭素の絶対立体配置を解明した。一方、沖縄産の渦鞭毛藻アンフィジニウム(Amphidinium属)の実験室での大量培養を行った。同種の渦鞭毛藻の抽出物よりこれまでに、がん細胞に対してきわめて強力な殺細胞活性を示す一連のマクロリド類を分離していたが、今回、シリカゲルカラムの未検討画分をさらに注意深く分離精製を行った結果、2種の新規ポリヒドロキシ化合物ルテオファノールBおよびCを単離した。 2. 熱帯植物成分の各種分子標的に対するスクリーニング:タイ、インドネシア、およびブラジル産熱帯薬用植物(数十種)の抽出物について、サイトカイン(TNFα、IL-6等)活性抑制作用、細胞接着阻害活性、薬剤耐性克服作用、チロシンキナーゼ阻害作用等に関するスクリーニングを行い、各々に対して良好な活性を示す植物種を選別した。また、各種がん細胞に対する細胞毒性に関しても併せてスクリーニングを行い、細胞特異的な毒性を示す植物1種を得た。現在、抽出物の詳細な分離精製により活性本体の解明を行っている。
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