腫瘍細胞のアポトーシス誘導を目的としたアンチセンス治療法の開発
Project/Area Number |
10153217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 平 東京大学, 医科学研究所, 講師 (80229286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中畑 龍俊 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20110744)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | アンチセンス / アポトーシス / Bcl-2 / c-myc / BCR-ABL / 細胞治療 |
Research Abstract |
我々は活性化あるいは増幅された癌遺伝子に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチド(AS ODN)を用いて白血病細胞の増殖抑制とその機序を検討し、以下の諸点を明らかにした。 (1) 慢性骨髄性白血病(CML)の特異的再構成遺伝子BCR-ABLに対するAS ODNがCML細胞の増殖を抑制し、その機序はアポトーシスの誘導であること。c-myc AS ODNでc-mycの発現を低下させると白血病細胞株HL60の増殖が抑制され、さらにその状態からc-mycの発現を急に増強させると、G_1/S期境界の細胞が選択的に、かつ大量にアポトーシスをおこすこと。また、慢性関節リウマチで増殖する滑膜細胞にc-mycアンチセンス核酸分子を導入したところ、Fas/Fas ligandを介したアポトーシスが誘導されることを示した。 (2) アンチセンス核酸分子の5'端および3'端の両端から4塩基間の3つの化学結合をホスホロチオエート型結合とし、中央の塩基の化学結合をホスホジエステル型としたキメラ型分子の合成方法、精製方法を確立し、このキメラ型分子が、すべての塩基間結合がホスホロチオエート型結合の核酸分子と同様、ヌクレアーゼによる分解に耐性であること。 (3) 従来のホスホロチオエート型結合をもつアンチセンス核酸分子と異なり、同様上記のキメラ型アンチセンス核酸分子は非特異的に蛋白質と結合したり、Bリンパ球を非特異的に刺激するなどの非特異的作用や非アンチセンス作用を示す程度が少ないこと。 (4) キメラ型骨格をもったBcl-2,c-myc,EPOレセプター、およびケモカインSDF-1のレセプターであるCXCR4に対するアンチセンス核酸分子が有効な機能を有していること。Bcl-2アンチセンス核酸分子の最も有効な、従来の報告とは異なる標的配列を決定したこと。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)