熱・熱外中性子捕捉反応を利用した深在性放射線抵抗性腫瘍の治療に関する基礎研究
Project/Area Number |
10153233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 良憲 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20273534)
木梨 友子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80252534)
高垣 政雄 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70252533)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 熱外中性子 / RBE / BSH / BPA / 静止期細胞 / EP(エレクトロポレーション) / マイクロヌクレウス / 肝細胞 |
Research Abstract |
(1)熱中性子、熱外・高速中性子混合ビームのRBEを培養SCCVII腫瘍細胞(マウス扁平上皮癌)を用いてコロニー形成法で検索し、各々2.0と1.9の値を得た。中性子フルエンスで比較すると、粒子カーマ値が大きい混合ビームの方が効果が大きくなった。硼素-10併用による効果増強の程度は捕獲断面積の大きい熱中性子ビームの方が大きかった。固形腫瘍に対する効果を見ると硼素-10が存在しない場合は両ビームの効果に大きな差は生じないが、硼素-10存在下での効果は静止期細胞に集積しにくい硼素化合物BPAを併用した場合は混合ビームの方が大きな効果を与えることが分かった。(2)腫瘍細胞浮遊液にBSHを加え、EP処置を行うとBSHを効果的に細胞注入でき、効果はEPの回数に応じて上昇、細胞内の注入BSHは洗浄しても流失しないことが分かった。固形腫瘍の場合、固形腫瘍のままで中性子照射を行うとBNCI効果は非常に大きかったが、細胞単離後に中性子照射を行うと効果が大幅に失われた。固形腫瘍に対するEPではBSHは腫瘍細胞には入らず、腫瘍血管内や細胞間質に閉じこめられた状態あると想像された。(3)BPAは静止期細胞に集積しにくい。一方、BSHは腫瘍細胞に対する親和性はないが比較的均一に腫瘍に分布する。両者の欠点を補う目的で両硼素化合物を併用すると併用時の細胞生存率曲線は各々単独の場合の中間に位置した。しかし、腫瘍治癒を指標にすると相乗効果が認められた。一細胞当たりのマイクロヌクレウス数の頻度分布を調べると、BSHではポアソン分布によく従い、BPAの場合は大きく逸脱した。しかし併用の場合にはポアソン分布に近いパターンを示した。(4)BNCT後の温熱処理の効果をコロニー形成法による細胞生存率で調べると、温熱増感率は硼素濃度の上昇(0-30ppm)と共に減少(2.65-1.0)した。(5)水ファントム中の生物効果の深度分布を同じ細胞株によってコロニー法で検索すると、硼素濃度を腫瘍で30ppm、正常組織で10ppmと仮定した場合、混合ビームの治療可能深度は6.5cmと推定された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)