腫瘍において高発現をみる遺伝子のプロモーターを用いた自殺遺伝子治療の基礎的検討
Project/Area Number |
10153269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 部長 (20171572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹永 啓三 千葉県がんセンター, 研究局・化学療法研究部, 研究員 (80260256)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / プロモーター / 自殺遺伝子 / ミッドカイン / VEGF / 低酸素 / 転写活性 / 腫瘍細胞 |
Research Abstract |
腫瘍特異的な遺伝子発現は遺伝子治療の効率と安全性に深く係わっている。そこで本研究では各種のヒト腫瘍に強く発現し、正常組織にはほとんどその発現をみないミッドカインと、低酸素状態で発現誘導がみられるvasucular cndothelial growth factor(VEGF)遺伝子のプロモーター領域に注目し、腫瘍高発現に関与する領域の検討を目的とした。さらにこのプロモーター領域の下流に自殺遺伝子を結合させ、遺伝子発現を制御することによって腫瘍に特異的な殺細胞効果の検討をめざした。その結果(1)ミッドカインのゲノム遺伝子を用いて、その領域の転写活性化能をヒト腫瘍細胞と正常線維芽細胞とを対比して検討したところ、5'上流約550bpの領域上に腫瘍細胞特異的な転写活性が認められた。しかも腫瘍細胞におけるこの領域の転写活性はSV40のプロモーターより数倍強力であった。(2)ミッドカインゲノム遺伝子によってHSV-TK遺伝子の発現をコントロールさせた場合、腫瘍細胞ではプロドラックのGCVに対する強い感受性を示したが、正常線維芽細胞では全くGCVの影響を受けなかった。従って自殺遺伝子の発現を腫瘍特異的にコントロールすることが可能であり、このことはin vivoの動物実験でも確認されている。(3)VEGFゲノム遺伝子の5'上流1.5kb上に、低酸素条件下での発現誘導に関与する領域を同定し、この領域でシフテリア毒素A鎖遺伝子やGFP遺伝子の発現を制御させたところ、低酸素下でこれらの遺伝子の発現が増強されることが判明した。しかし低酸素による発現に関与する領域は複雑で、hypoxia responsible element領域以外にも存在する可能性がある。低酸素状態における発現誘導に果たす転写因子の発現様式については今後の検討課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)