Project/Area Number |
10154203
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
垣塚 彰 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究部長 (80204329)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥40,000,000 (Direct Cost: ¥40,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
|
Keywords | 癌治療 / アポトーシス / ポリグルタミン / SEKI-JNK / PML body / ドロソフィラ / がん治療 / タモキシフェン / SEKI |
Research Abstract |
近年、癌に対する分子レベルの研究は長足の進展をみせ、全く不明であった癌における様々な異常(増殖:細胞死:分子)の分子基盤が少しずつ明らかになってきた。しかしながら、これらの進展が癌治療の概念及び実体に対して大きく変革をもたらしていると言える状況には依然として至っておらず、新しい治療戦略の模索が行われているのが現状である。本研究は、アポトーシスの誘導を癌治療の基本戦略に位置付け、これまでに研究されてきたアポトーシス誘導分子が引き起こす分子メカニズムを詳細に解析することによって、これまで明らかになっていないアポトーシス誘導の作用点を検索し、癌の新しい治療に結びつく基礎研究を行うことを目的とし、本年度は以下の成果を得た。 (1)ポリグルタミンの核内細胞死シグナル励起部位としてのPML bodyの同定。 ポリグルタミンが細胞死を誘導するときに核内で凝集しSEK1-JNKの細胞死シグナルを活性・伝達している部位がPML bodyであることを明らかにした。PML bodyは、以前に我々が急性前骨髄球性白血病(APL)の原因となるPLM-RARの細胞内標的部位として同定した核内のサブドメインである。 (2)亜砒酸によるPML bodyでのSEK1の活性化。 APL細胞を亜砒酸で処理するとそれまで分散していたPML bodyが再構成され、続いてAPL細胞は細胞死におちいる。この過程で、ポリグルタミンの場合と同様に再構成されてPML bodyでSEK1が活性化されていることを明らかにした。 (3)ドロソフィラの遺伝学を用いたポリグルタミンが誘導する細胞死に関わる遺伝子群の検索。 ポリグルタミンを複眼特異的に発現するトランスジェニックフライと染色体の種々の領域に欠損をもつ変異体と交配し、欠失により表現型(rough eyes)を憎悪または抑制する10数箇所の染色体領域を同定した。
|