Project/Area Number |
10155202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉増 敦朗 東北大学, 医学部, 助手 (90302091)
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 教授 (50192787)
大津 浩 東北大学, 医学部, 講師 (60250742)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ヒスタミン / ヒスチジン脱炭酸酵素 / ノックアウトマウス / メタンフェタミン / 自発運動 / ヒスタミン欠陥マウス |
Research Abstract |
本研究は、中枢ヒスタミン神経系と神経可塑性の関係を明らかにするために、ヒスタミンの合成酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)遺伝子ノックアウト(KO)マウスを作成して以下の研究を行った。野生型(+/+)、ノックアウト(-/-)マウスの各臓器、特に、胃、脳のHDC活性とヒスタミン含量を測定した。-/-マウスのHDC活性は、胃、脳では、+/+マウスのそれぞれ、0.13、7.6%であった。一方、ヒスタミン含量は、-/-マウスの胃、脳では、+/+マウスのそれぞれ、0.4、15%であった。従って、このヒスタミンの由来として、ヒスタミンが腸管から吸収される可能性を考えた。市販のマウス餌(日本農産、ラボMRブリーダー)のヒスタミン含量は、14.6ng/gであったので、ヒスタミン量を低下させた餌(#3,0.276ng/g)を調製した。この#3の餌を5日間投与すると、-/-マウスの脳のヒスタミン含量は、普通食投与マウスのそれの78%?に低下した。この餌に15mg/gのヒスタミンを添加したものを投与したところ、ヒスタミン含量は、約3倍になっていた。即ち、ヒスタミンが、腸管から吸収され、視床下部、最終野など血液脳関門の疎なところから入るものと思われる。12時間の明暗周期下に飼育し、自発運動の日内リズムを測定したところ、-/-マウスにおいては、夜間の行動量が減少していた。このことは、ヒスタミンは、生体内では覚醒アミンとして働いているという古くからの仮説を支持するものである。メタンフェタミン1mg/kgを腹腔内投与し、自発運動量を測定すると、-/-マウスでは+/+マウスに比して増加し、かつその持続時間も延長していた。このことはヒスタミンは、覚醒剤の急性運動促進効果を抑制するというこれまでの行動薬理学的結果と一致する。
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