Project/Area Number |
10155205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
饗場 篤 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20271116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 和貴 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (20217657)
中村 健司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90253533)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | H-Ras蛋白質 / NMDA受容体 / チロシンリン酸化 / 海馬 / 長期増幅 / ノックアウトマウス / PKC / α-CaMKII |
Research Abstract |
H-RasによるNMDA受容体応答の制御について検討した。 1) NMDA受容体の発現量 海馬で発現しているNMDA受容体サブユニット、GluR ζ 1(NR1)、GluR ε 1(NR2A)、GluR ε 2(NR2B)の発現量を検討した。海馬粗抽出液をSDS-PAGEにより分離し、各サブユニットを特異的に認識する抗体を用いたウエスタンブロットにより定量した結果、野性型とノックアウトマウスでは差はなかった。また、NMDA受容体ラジオリガンド、[propyl-2,3-3H]-CGP 39653を用いたリガンド結合実験でも海馬細胞膜上に存在するNMDA受容体密度は野性型とノックアウトマウスでは有意な差は無かった。 2) NMDA受容体のリン酸化 NMDA受容体の活性はε1、ε2がチロシンリン酸化にされることによって制御されることが報告されている。そこで、海馬粗抽出液を0.5%SDS存在下で煮沸し、NMDA受容体を各サブユニットに解離させた後、εl、ε2を特異的に認識する抗体を加え免疫沈降物を得た。さらに、共沈産物をSDS-PAGEにより分離し、リン酸化チロシン残基を特異的に認識する抗体を用いたウエスタンブロットによりε1、ε2両サブユニット共、リン酸化量が増加していることが明らかとなった。 3) NMDA受容体中のサブユニット量の変化 NMDA受容体の活性は構成するサブユニットの変化によっても起りえる。そこで、海馬粗抽出液を煮沸せず、抗ζ1抗体と共沈する蛋白質量をウエスタンブロットにより定量した。その結果、ε1、ε2の蛋白量がノックアウトマウスで変化していないこと、PSD95蛋白質の量も変化していないことが明らかとなった。 以上の結果より、H-rasノックアウトマウスでのNMDA受容体応答の特異的な活性化はε1、ε2サブユニットのチロシン残基のリン酸化の増加によって生じている可能性が示唆された。
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