記憶形成におけるRab3A系とDoc2系の機能と作用機構
Project/Area Number |
10155214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白瀧 博通 大阪大学, 医学部, 助手 (90249962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 卓也 大阪大学, 医学部, 助教授 (40241278)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 記憶 / 神経伝達物質 / 放出反応 / Rab3A / Doc2 / Rab3 GAP / dynein |
Research Abstract |
私共の研究室では、低分子量G蛋白質Rab3AとC2様領域を2個有する蛋白質であるDoc2を発見し、Rab3AとDoc2が神経伝達物質の放出に関与していることを明らかにしている。さらに、Rab3Aの活性制御蛋白質としてRabGDI、Rab3GEP、Rab3GAPを、標的蛋白質としてRabphilin3を発見している。Rab3AとDoc2は、おのおののノックアウトマウスを用いた研究から、共に記憶形成に関与している可能性が高くなっている。そこで、私共は、神経伝達物質の放出におけるRab3A系とDoc2系の活性制御機構および作用機構について研究を行い、以下の成果を得た。Rab3GEPとRab3GAPは、共にラット海馬初代培養神経細胞のシナプス終末の細胞質に存在していた。このうち、Rab3GEPは、ラット褐色細胞腫細胞からのCa^<2+>依存性のgrowth hormnoneの分泌を抑制した。また、私共は、Rab3GAPのcatalytic subunitであるp130に結合する蛋白質としてp150をクローニングして一次構造を決定し、Rab3GAPがnoncatalytic subunitであるp150とcatalytic subunitであるp130の1:1のheterodimerであることを明らかにした。一方、私共は、Doc2がホルボールエステル依存性にMunc13と結合し、Ca^<2+>依存性の分泌反応を制御していることを明らかにしている。本研究で、私共は、Doc2が、微小管モーターであるダイニンのlight chainであるtctex-1に結合することを明らかにした。tctex-1結合部位を含むDoc2のN末端側フラグメントは、trans-Golgi networkから後期エンドゾームへの微小管を介した小胞輸送を抑制した。このことから、Doc2はダイニンによる小胞輸送をも介して、神経伝達物質の放出に関与している可能性が高くなった。このように、本研究は予想以上に進展し、当初の目的はほぼ完全に達成することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)