Project/Area Number |
10155231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 光一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80171750)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | グルタミン酸 / トランスポーター / シナプス伝達 / 興奮毒性 / 可塑性 |
Research Abstract |
研究成果 グリア型グルタミン酸トランスポーターGLT1,GLASTを欠損したマウスを作成し、その生理学的・病態生理学的役割を解析した。GLAST(小脳のバーグマングリアに大量に存在するタイプ)欠損マウスでは、登状線維のプルキンエ細胞多重支配による軽度の運動障害と視細胞ー双極細胞間シナプス伝達障害による視覚障害が認められた。GLT1(大脳・海馬のグリア細胞に多量に存在するタイプ)欠損マウスは生後3週齢頃から致死性のてんかん発作を示し、12週齢頃までに80%が死亡した。GLT1欠損マウスの海馬スライスを用いSchaffer側技-CA1錐体細胞間シナプス伝達を解析すると、シナプス間隙でのグルタミン酸のクリアランスは障害されているが、興奮性シナプス後電流(EPSC)のキネティックスに変化はなかった。また、NMDA受容体によるEPSCの成分が増大しており、短期可塑性に関してはpaired pulse facilitationが減少していた。長期可塑性を調べると、長期抑圧は起きるが長期促進を起こすことができなかった。上記2種類の欠損マウスとも、cold-induced injuryに対する脳障害が悪化し、グルタミン酸の興奮毒性に対する感受性が亢進していた。以上のことは、グリア型グルタミン酸トランスポーターが、生理学的にはシナプス伝達及びその可塑性に、病態生理学的にはグルタミン酸の興奮毒性から神経細胞を保護するのに重要な役割を果たしていることを示している。
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