神経活動依存性遺伝子発現機構におけるカルモデュリンキナーゼIVの機能解析
Project/Area Number |
10156202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪上 洋行 東北大学, 医学部, 助教授 (90261528)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | カルシウム / プロテインキナーゼ / カルモデュリン / 転写因子 / リン酸化 / 免疫組織化学 / in situ ハイブリダイゼーション / ラット |
Research Abstract |
Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼタイプIV(CaMキナーゼIV)は、上流のCaMキナーゼキナーゼによりその活性が厳密に制御されていることが近年明らかになってきた。本研究では、CaMキナーゼキナーゼによるCaMキナーゼIVの活性化機構の生理的意義に対する理解を深めるために、CaMキナーゼキナーゼの神経系における遺伝子及び蛋白発現局在を明らかにし、その機能の場を明確にすること、さらに、変異遺伝子導入マウスを作成し生体内でCaMキナーゼIVがどのような機能に関与するかを明らかにすることを研究目的として企画し、以下のような成果をあげた。 (1) CaMキナーゼキナーゼ遺伝子及び蛋白発現解析 CaMキナーゼキナーゼの2つの分子種の中枢神経系における遺伝子発現の局在を明らかにするためにCaMキナーゼキナーゼの2つの分子種(α,β分子)に対するオリゴヌクレオチドプローブを作成しin situハイブリダイゼーション法により解析した。その結果、2つの分子種は中枢神経系において異なる遺伝子発現様式を示すことを明らかにし、特にβ分子の遺伝子発現は小脳顆粒細胞や大脳皮質、海馬、線条体に豊富に発現し、CaMキナーゼIVの発現様式と非常によく相関することより、生体内で2つの分子が、機能的な共役関係を示す可能性を明らかにし報告した(Mol.Brain Re.1998)。さらにCaMキナーゼキナーゼの2つの分子種に対する特異的なモノクロナール抗体の作成に成功し、その細胞内局在を検討した結果、核に豊富に局在するCaMキナーゼIVに対して、CaMキナーゼキナーゼの2つの分子は細胞体、樹状突起、神経終末に局在し、核には局在しないことが判明した。これらの結果より、核内でCaMキナーゼIVが機能するためには、CaMキナーゼキナーゼが核内へtraslocationする可能性が示唆された。 (2) CaMキナーゼIV変異遺伝子導入マウスの作成 CaMキナーゼIV遺伝子欠損マウスを作成するために、129SVマウス由来の本酵素ゲノムDNAを単離、構造解析を行い、定法に従い、ターゲッティングベクターを作成した。東京大学医科学研究所勝木教授との共同研究により相同組み換え体を含むES細胞の同定し、キメラマウスを作製に成功し、現在、機能解析のため、F1マウスの作成のため交配中である。 以上、申請した実験計画に従い、CaMキナーゼIVの神経細胞における生理的意義の解明のために着実に研究を展開し成果をあげている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)