哺乳動物前脳に特異的な形態形成遺伝子Nkx-2.1の発現制御機構の解析
Project/Area Number |
10156209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中福 雅人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80202216)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 神経発生 / 幹細胞 / 領域特性 / ニューロン / ヘッジホッグ |
Research Abstract |
ヒトを含む哺乳動物の脳は、それぞれ異なる領域特異性をもった極めて多様な細胞群によって構成されている。脳神経系の領域特異化のひとつである背腹軸に沿ったパターン形成においては、Sonic hedgehog(Shh)と呼ばれる分泌性シグナル因子が重要な役割を果たす。一方、ホメオボックス遺伝子であるNkx-2.1は、Shh依存的に将来の視床下部原基である前脳腹側部に特異的に発現し、視床下部の発生に必須の機能を果たすことが知られている。本研究では、このNkx-2.1遺伝子の前脳特異的な発現を制御する機構の解析を通して、脳の領域特異的分化の機構の解明を目指した。まず、我々が樹立したShh応答性の神経前駆細胞株MNS-70をモデル系として、Nkx-2.1遺伝子のShh依存的発現誘導の分子機構を解析した。その結果、Shhの下流ではZinc-finger型転写因子であるGliファミリー遺伝子群が機能しており、そのうちGli1,Gli2の2種類の因子がNkx-2.1遺伝子の発現に重要な役割を担っていることを明らかにした。次にNkx-2.1遺伝子の前脳腹側特異的な発現を制御する機構を明らかにするため、その染色体遺伝子断片を単離し、発現制御領域を解析した。タンパク質コード領域周辺の約14kbpの染色体遺伝子に由来する種々の制限酵素断片をβ-galactosidase遺伝子の上流に接続したキメラ遺伝子を作成し、これらをマウス受精卵に導入して、トランスジェニックマウス胎児における発現パターンを解析した。その結果、転写開始点の上流約3kbpの領域に基本プロモーター活性およびshh依存的な神経系での発現を制御する活性があることが判明した。現在さらに前脳特異性を規定する領域の検索を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)