Project/Area Number |
10156222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
葛西 道生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40022595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 隆久 工業技術院, 大阪工業技術研究所・有機機能材料部, 室長 (10197246)
植田 淳子 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90252634)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | シナプス / シナプス形成 / ニワトリ胚 / 長期増強 / 刷り込み / 神経突起伸長因子 / NMDA受容体 / AMPA受容体 |
Research Abstract |
シナプス機能の制御、すなわち長期増強や長期抑圧は神経回路形成の過程で重要な役割を果たしている。ニワトリ胚の解離培養系を用いて、長期増強が培養系の細胞外液のMg^<2+>を短時間(15分間)除去することでNNDA受容体依存的に誘導されることが分かった。この処理の過程で因子が細胞外に放出され、それ自身に誘導能があり、蛋白質であることが細胞外液のプロテアーゼ処理などで明らかなった。また、蛋白質合成阻害剤シクロヘキシミド存在下では、Mg^<2+>除去操作で増強は誘導できないこと、しかし、阻害剤存在下でも上記の因子を添加すると、それだけで増強の誘導が可能であることから、NMDA受容体の活性化から蛋白質因子分泌までの過程に蛋白質合成が必要であることが分かった。パッチ電極内に蛋白質合成阻害剤を加えておくとこの増強が抑制されることから、増強に必須な蛋白質合成はポスト側で起こっていると考えられる。 鳥類には刷込み学習という時期特異的能力があり、この学習が脳のIMHV領域の神経活動と密接に関係していることがわかっている。すなわち、孵化後数日以内でのみこの学習が成立する。シナプスの機能に関するこの時期の特徴を解析するため、シナプス前細胞を連続して2回刺激し、その応答の大きさを計測した結果、孵化直後の脳では2回目の大きさが1回目より小さくなる現象(Paired-pulse depression)はシナプス前細胞に原因があること、この現象がヒヨコの成長ととも減少することが分かった。また、この現象の細胞外Ca^<2+>濃度依存性を解析した。その結果、学習成立時期には、微弱な入力でもシナプス伝達が起こるような機構を備え神経伝達の感度を上げているが、学習成立後には、むしろノイズによる誤動作を避けるために、大きな入力にのみ応用するような機構に変わっていくと解釈できることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)